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対物無制限は必要ですか?(2ページ目)

首都高で発生したタンクローリーの横転炎上事故。一体どのような損害が発生しているのでしょうか?

執筆者:松本 進午

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首都高の事故ではどんな損害が?

それでは冒頭のタンクローリーの事故について検討してみましょう。

まず(1)直接損害としては、以下のようなものが考えられます。

・道路構造物の補修費用
・道路周辺の建物等の修理費用
・1車線暫定開放のための改修費用

これだけでもかなりの金額になりそうですね。特に交通量が多い場所なので、工事が大変そうです・・・

また(2)間接損害については、

・通行料収入の減少による損失

が考えられますが、復旧に数ヶ月かかるとのことですので、どのくらいの金額になるのか見当もつきません。

いずれにしても、まともに損害賠償を請求されれば、物損事故における高額賠償事例のランキングに加わるレベルになることでしょう。

ひとつ気がかりなことが・・・

さて、ここでひとつ気がかりなことがあります。タクシー会社や運送会社などが保有する営業用自動車については、自家用自動車と比較して、任意保険の加入率がかなり低いのです。

多数の営業用自動車を保有する事業所では、全ての車両に任意保険を付けると、支払う保険料が高額になってしまうため、その分を将来の事故発生に備えてプールしておいたほうが結果的に安上がりであると考えるためです。

はたして冒頭のタンクローリーを所有する運送会社は任意保険に入っていたのでしょうか?入っていたとして保険金額は無制限になっていたのでしょうか?・・・気になります。

やっぱり対物は「無制限」で!

ところで、最近では対物賠償保険を「無制限」とするのが一般的になりつつありますが、依然として多くの方が保険金額に制限のある契約を選択しています。

確かに、損害額が億を超えるような事故はめったにありませんが、数千万円程度の事故はそれなりの頻度で発生しています。加えて、損害額が契約の保険金額を超えてしまうと、保険会社による示談代行サービスを受けることができなくなってしまいますので、ここはケチらずに無制限を選んでおくことをおススメします。保険料はあまり変わらないハズですよ。


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