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20世紀の大発見はアセットアロケーション!(2ページ目)

アセットアロケーションはマーコヴィッツが発見した個人の革命的投資法。従来のあいまいなポートフォリオを、科学的に裏づけされた現代ポートフォリオに進化させた功績からノーベル経済学賞を受賞しました。

北川 邦弘

執筆者:北川 邦弘

はじめての資産運用ガイド

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アセットアロケーションの効果を数値で確認しましょう。

リスクが減るとことを計算で確認


投資対象を逆相関にある資産に分散すると、リスクが下がるということを、以下の例で体験してください。なお、ここでいうリスクは値動きのブレの大きさです。リスクが10%ということは、平均リターンを10%上回ることもあれば、10%下回ることもあるという意味です。

たとえば次のような二つの資産があるとします
《Aファンド》期待リターンが6%で推定リスクが10%です(ミドルリスク・ミドルリターン)
《Bファンド》期待リターンが2%で推定リスクが3%です(ローリスクローリターン)
今の日本の環境でこの二つのどちらかを選んでくださいというと、ほとんどの人がBファンドを選びます。年2%で十分だと言います。しかし、私はAファンドを混ぜた方がリスクが減りますよと助言します。

ここでは、組み合わせることでリターンが増えて、リスクが減る組み合わせ方があるということです。たとえば、Aファンドを1割加えると、このアセットアロケーションの期待リターンは2.4%、推定リスクは2.78%となります。元のリスクが3%でしたから、2.78%<3%ですね。いかがですか?Bファンドだけを持つよりも、安全に増えそうな組合せであると思いませんか?これが、アセットアロケーションによる効率化です。

写真のタイトル
BファンドにAファンドを10%加えるだけで、全体のリスクが軽減される典型的なアセットアロケーションの適用例


このときのAとBの関係は「負の相関関係」でした。つまり、AとBは反対の値動きをする資産であることが、あらかじめ分かっていたので、アセット・アロケーションを組んで、リスク回避型のポートフォリオを作ることを私は提案したわけです。AとBの相関係数は?1でした。

少し複雑ですが、組み合わせた資産のリスクの大きさは、以下の計算式から算出されました。

写真のタイトル
ポートフォリオのリスクR(標準偏差)が2.78%へと減ることの計算による証明


数字で書いてもむずかしいですね。では、次のページでは図でアセットアロケーションの効果を示してみます。
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