「長期投資はリスクを減らさない」
「長期投資はリスクを減らし資産を増やす」
どちらか?といわれると両方とも正解なのです。前提条件が違うのでまったく矛盾するタイトルに聞こえてしまいますが、結論としてはつながっていることを知っていただきたいと思います。
長期投資がいつも良いわけではない
「長期投資はリスクを減らさない」といっているのは、長期投資が無条件で正しいという誤解を否定するためです。
負ける方法を取り続ければ、結果はどんどん悪くなるのはご想像の通りです。株式投資も例外ではありません。時間が失敗を成功に好転させるという魔法のようなことは起こりません。長期投資なら何でもうまくいくと受け止めることは間違いであるという警鐘の意味で、「長期資産はリスクを減らさない」は書かれています。
たとえば、ギャンブルはいっとき有頂天になるときもありますが、繰り返すほどに本来の勝率に回帰して、最後はみんな損をします。ほんのわずかな天才ギャンブラーを除いて、みんな同じ確率で負けることとなります。
パチンコなら80%、競馬なら75%、宝くじなら48%が国民的勝率です。(逆にいえば、パチンコでは20%、競馬では25%、宝くじでは52%だけ、必ず損をします)長い間繰り返すことで、確率は平均に回帰するのであって、勝率が上昇することはありません。時間をかければ良くなるというものではありません。株式投資も同じです。
長期投資に恩恵をもたらす分散
長期投資が基本原則であるという教えは、あることを前提としています。
それは、投資を始める方法が、ある程度「理」に適っているものであることです(理に適った投資法が何か?というテーマだけでも数十本の記事を理解する必要がありますが)。
たとえば・・・
○適切に分散されたポートフォリオ
○成長している企業の株式
○株主を尊重する企業の株式
次のような方法は、まともな投資法とはいえないので、長期投資のメリットは得られないことがあります。
●衰退していく企業の株式
●社外株主を軽視する企業の株式
●一発を当てにいくゆがんだポートフォリオ
同じ長期間の価格変動の統計も、対象の取り方でまったく異なる結論を導いてくるので注意が必要です。それは次のページで!