資産運用/資産運用の注意点とリスク

世界株式ファンドの中身もピンキリなんです(3ページ目)

アセットアロケーションを組む時に日本株と外国株の構成比率が語られます。しかし、外国株あるいは世界株式とは一体どんな内容なのでしょう?分かったようで分からない世界株式の構成を確認しましょう。

北川 邦弘

執筆者:北川 邦弘

はじめての資産運用ガイド

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簡単に作れる経済圏ポートフォリオ

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私たちがグローバルに考えやすい方法として経済圏ポートフォリオという発想はどうだろう。
微妙に異なる「国際株式」ファンドの選択にイライラする人は、自分で経済圏ポートフォリオを作ってみるという手もあります。たとえば、アメリカ株式、欧州株式、アジア株式、エマージング株式のインデックスを均等に買っていたら過去3年はどうなっていたでしょう?

<3年間のリターン>
・アメリカ株 S&P500<円換算> 3.86%
・欧州株式 MSCI欧州株<円換算> 43.96%
・アジアパシフィック株 MSCI極東株(除日本)<円換算> 65.35%
・エマージング株 MSCIエマージング株<円換算> 108.04%

したがって、4つのインデックスを均等に組み合わせると、(3.86 + 43.96 + 65.35 + 108.04) ÷ 4 = 55.30%というリターンが得られたはずです。先ほどの表のポートフォリオと比較すると2倍近いハイ・リターンでした。もちろん、アジアとエマージングが多い分だけリスクも負っています。

経済圏株式の組み合わせも、MSCIインデックスに連動するETF(たとえば、iシェアーズのIVV,IEV,EPP,EEMなど)を利用することで自分なりに簡単に作ることができます。

リスクの低いアロケーションを探ることが重要


経済圏のインデックスを組み合わせるのだったら、過去3年はエマージング株に100%投入すれば良かったじゃない!なんて思った人がいるかもしれません。

それはあくまでも結果論で、今だから言えることでしょう。見えない将来に向けてどういうアロケーションを組むかは、リターン狙いよりリスク軽減が優先されるべきです。

もしリターンだけ求めてエマージングに全部投入していて、1997年のアジア危機のようなことが起こったら、あなたの資産は絶望的に毀損してしまいます。ですので、見えない未来に向けて、十分な分散をして、なおかつリターンもエクセレント!という絶妙なポイントを見つけることが、アセットアロケーションの妙です。
 
もう一度、国際株式の過去3年間のリターンをおさらいしてみましょう。
国際株式 経済圏アロケーション 55.30%
国際株式 ポートフォリオ2    32.40%
国際株式 MSCIコクサイ   26.16%
国際株式 ポートフォリオ1    23.72%

ひと言で「国際株式」といっても、ピンからキリまであるというお話でした。その点で、TOPIXインデックスは東証1部のすべての銘柄に投資しているので、明らかに日本株全体の公平な指標となりえます。

いかがでしたか?日本株式と世界株式の構成比率だけの議論でアセットアロケーションを決定しようとすることの問題点をご理解いただけたでしょうか?まずは、採用する具体的な資産内訳を決めなければなりません。

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