資産運用/資産運用の注意点とリスク

世界株式ファンドの中身もピンキリなんです(2ページ目)

アセットアロケーションを組む時に日本株と外国株の構成比率が語られます。しかし、外国株あるいは世界株式とは一体どんな内容なのでしょう?分かったようで分からない世界株式の構成を確認しましょう。

北川 邦弘

執筆者:北川 邦弘

はじめての資産運用ガイド

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こんなに変わる世界株式のリターン

世界株式の中でもっともメジャーなアメリカ株式ですが、MSCIコクサイではアメリカ株式が過半を占めており、この3年間のリターンを引き下げてきました(3年通算リターンが26.16 %)。左の二つのポートフォリオでは、アメリカ株式を3分の1程度に抑えていますが、MSCIコクサイには1勝1敗です。

同じ3年通算リターンでいえば、ポートフォリオ1は23.72%、ポートフォリオ2は32.4%と同じ国際株式でもずいぶん違うモンです。ポートフォリオ1の特徴は、配当利回りの高い企業に投資していることです。税コストなどがリターンの重しになります。

もう一方で、ポートフォリオ1よりも、断然に良いリターンをあげたポートフォリオ2のアロケーション要因は何でしょうか?ドイツ、スイス、スペイン、ベルギーあたりの欧州中堅国の比率が高いことが、この表では目立っています。(この表には現われていませんが、台湾、韓国、インドネシア当たりまで投資していることもポートフォリオ2の強みでした。ちなみに日本も5%ほど含まれています)

ただし、この優劣はこの3年間の限定的結果です。異なる環境ならまた異なる優劣が出ることでしょう。MSCIコクサイをけなしているわけではないので、持っている人は怒らないでください。いずれにしても、「国際株式」ファンドのリターンは国別内訳により、ピンからキリまであります。

MSCIコクサイに連動するETFは証券会社で販売されています。また、ポートフォリオ1は日興・CS世界高配当株式ファンド、ポートフォリオ2はフィデリティ・グローバル・ファンド。いずれも為替リスクをヘッジしていないタイプの円換算リターンです。

世界株式のマイ・アロケーション

ならば、オンリーワンの世界株式ポートフォリオを自分の手で作ろう!と思われた人もいるでしょうか?しかし、世界には約200の国があり、120以上の証券取引所があります。世界分散の本物の構成を自分で作るのは容易ではありません。

国別のアロケーションが大変なら、折衷のアセットクラスとして経済圏でまとめてみるという手もあります。その方が楽ですし、ダイナミックに考えることができます。

例えば、アメリカ株式、欧州株式、アジア株式、エマージング株式という4つのインデックスを複合したアセットアロケーションのパフォーマンスはどうなるでしょうか?

自分で簡単に組成できる国際株式ポートフォリオの考え方を、次のページでご案内します
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