資産運用

資産の目減りが心配です。60代後半ですが現預金を投資に回すべきですか?

みなさんから寄せられた投資や経済ニュースに関するさまざまな疑問に、ファイナンシャルプランナーの深野康彦さんが回答してくださいました。今回は、物価上昇を鑑みて現預金の一部を投資に回した方がよいかについてです。

執筆者:All About 編集部

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みなさんから寄せられた投資や経済ニュースに関するさまざまな疑問に、ファイナンシャルプランナーの深野康彦さんが回答してくださいました。今回は、物価上昇による資産の目減りを心配する60代後半の方からの質問です。
 

Q. 資産が目減りしそうで不安です。現預金の一部を投資に回す場合、どのくらいの割合であれば大丈夫でしょうか

「現在60代後半になります。年齢のことを考えると、本来は預貯金を持っておくべきだと思いますが、物価の上昇で資産が目減りしそうで不安です。そこで、資産の一部を投資に回したいと考えています。年齢的なことも踏まえたうえで、どれぐらいの割合をNISAに回してもいいか、またどのような金融商品を選べばいいか、アドバイスをお願いします」(68歳/派遣社員/女性)

【相談者の資産額】現預金:1800万円、リスク資産:25万円

 
現預金から投資へ

資産の目減りが心配な場合、現預金を投資に回すべき?


A. 「現預金1800万円の1割くらいを投資に回してみては」(深野さん)

昨今、預貯金の金利が少し上がってきたとはいえ、物価の上昇を考えるとやはり預貯金の一部を投資に回した方が、“資産寿命”を延ばすことができると思います。

人生100年といわれていますし、80代半ば以降のお金を考える場合、60代後半から積立投資をするのも一つの考え方だと思います。一方で、80代半ばになれば、今と同じように元気でいられるかどうかはわかりませんので、ある程度お金を増やしながらも、ちょっとずつ使っていくという考え方もあります。

新NISAでは積立投資ができる「つみたて投資枠」と、個別株などを買うことができる「成長投資枠」があります。例えばですが、この成長投資枠を使い、高配当株や高配当指数に連動するETF(上場投資信託)、あるいはREIT(不動産投資信託)など、定期的に配当金が受け取れる商品に投資するのもいいでしょう。配当金は、基本的に再投資せずに、ご自身で使ってください。旅行したり、おいしいものを食べたりして、楽しむのも一つです。

また、どのくらいのお金を投資に回すかですが、例えば保有している現預金1800万円のうち、大体1割くらい(約200万円)を取り崩し、年利3.5%ぐらいの高配当株を買ってみるのもいいでしょう。その場合、年間7万円ほどの配当金を受け取ることができます。

月額で考えると、プラス6000円ぐらいになります。そうすると、生活費が20万円だとして物価が3%上昇した場合でも、物価上昇分(6000円/月)をカバーできるわけです。もちろん物価が3%以上あがるものもあるかもしれません。あくまでも、毎年3%ぐらいの物価の上昇であれば、今の生活の質を落とす必要はありませんよね。

教えてくれたのは……深野 康彦さん

マネープランクリニックでもおなじみのベテランFPの1人。さまざまなメディアを通じて、家計管理の方法や投資の啓蒙などお金まわり全般に関する情報を発信しています。All About貯蓄・投資信託ガイドとしても活躍中。著作に『55歳からはじめる長い人生後半戦のお金の習慣』(明日香出版社)、『あなたの毎月分配型投資信託がいよいよ危ない!』(ダイヤモンド社)など
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