「解説」負け組と勝ち組の差はココだ!
夫婦で考えてみた場合、「年金負け組」にならず「年金勝ち組」になるための人生の選択肢はこのあたりにあります。●パートにこだわらず、正社員で稼ぐチャンスにこだわる
確かに現在の生活を考えると年収を100万円程度に収め、配偶者控除(税金)や配偶者手当(会社の制度)を受けたり、健康保険や年金保険料を節約したほうがトクをするような気がします。しかし、200万円以上稼ぐチャンスが得られるのであれば、こうした「小さなトク」を気にせずどんどん稼いだほうが「大きなトク」が得られます。老後の年金も増えますし(厚生年金になるため)、そもそもの毎月の収入も大きく増えることで生活もラクになるし貯金もしやすくなります。
●住宅ローンはできるだけ短く返す
住宅ローンはできるだけ小さく設定し、できるだけ早く返済することが老後には有利に働きます。もちろん、総支払額が少なければ、今の生活にもゆとりや余裕が生まれます。固定で低利のローンにこだわるのも差が付くポイントです。60歳までローンを残しておくと、退職金がその分減ってしまうため、現役時代の完済を目指したいものです。ちなみに生涯賃貸派については、国の年金には家賃分が含まれていませんので、定年退職までに生涯分の家賃を別途貯めておく必要があります。
●60歳代前半に働けるかどうか(あるいはその分備えられるかどうか)
45歳より若い世代は、国の年金を受け始めるのは65歳からと心得て、対策を考えておく必要があります。もし60歳で引退したいのなら5年分の生活費を貯めておかなければなりません。年間400万円で暮らすとしたら2000万円ということになり、なかなか大変です。65歳まで働く方法を考えておくこと(人脈作りや独立できるキャリア作りなど)も大切です。なお65歳までの継続雇用については今後、会社に義務づけられることになっています。もちろん、1000万円貯めて、62歳でリタイヤ、などと組み合わせてもいいでしょう。
●子どもの学費は必ず親が全額払うことはない
老後資金を貯めるとき、子どもの学費との板挟みが実は大きな問題となります。子どもが大学を卒業するのが親が50歳代後半(場合によっては60歳を過ぎることも)では老後資金準備をするヒマがありません。対策としては早めからコツコツ積み立てしておくことと、子どもの学費の一部について子どもに負担させることを検討することになります。子どもの学費をやりくりした結果、自分たちの老後のお金のやりくりが苦しくなり子どもに援助を求めるようなパターンは避けたいものです。
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これらはすべて真似る必要はありません。自分たちにとって役に立ちそうなポイントを考え、必要に応じて参考にしていただければと思います。
今回は「夫婦編」をお送りしました。次回は「男性シングル編」をお送りします。お楽しみに。
●男性シングル編(1/31掲載!)
●女性シングル編(2/15掲載!)