「解説」負け組と勝ち組の差はココだ!
女性の場合、「年金勝ち組」になるために、強い意識をもって取り組んでいく必要があります。というのも、男性と比べて高賃金を得にくい(よくない社会因習ですが……)一方で、長生きする可能性は男性より高いため、ひとりで老後資金準備を考えていく難しさが高いのです。また、結婚や出産といった人生の激変の可能性もあり、将来の可能性を狭めるような計画は避けておきたいところです。以下にヒントをいくつかあげてみます。●厚生年金に入る仕事をしよう!
まず、第一に考えたいのは、仕事をするときは「厚生年金適用」のところで働く、ということです。国民年金だけでは年金水準は月額で7万円にもなりませんし、保険料は自分で納めなければいけないため、納めたくない気分にもなりますし、未納が生じればその分年金は下がります。しかし厚生年金に加入していれば、平均的には13万円程度はもらえますので、長い老後の収入の柱としては欠かせません。わずか13万円かもしれませんが、平均余命で考えれば、約3600万円にもなる財産なのです! 100歳まで長生きすればなんと5400万円以上になります。長生きする可能性の高い女性ほど、生きている限り受けられる国の年金はメリットが大きいというわけです。現在は派遣社員でも厚生年金の適用が行われるようになってきています。手取りは減るかもしれませんが、ぜひ厚生年金を意識して働いてみてください。
●自分の財産づくりに取り組もう!
自分ひとりが住む家を確保しておきたいというのはよく分かりますが、住宅の購入は慎重に行いたいものです。もし、運命的な出会いがあって急に結婚することになれば、部屋をどうするか悩むことになりますし、長期のローンを組むと総支払額は莫大なものになります。現状の低金利が永遠に続くようなセールストークに踊らないように注意しましょう。また、日々のお買い物に目を奪われずにコツコツ資産作りをすることも考えておきましょう。毎月数万円程度の積立でも、「勝ち組」の彼女のように長く続ければ大きな財産に育ちます(この例でも控えめに数字をあげているつもりです)。
●使える資産はすべて活用!
一人娘であるのなら、親と同居して家賃や生活費を浮かせたり(パラサイトにならない程度にお金を入れることも忘れずに)、親の持ち家を自分の終の棲家として確保するのもいいと思います。依存しすぎない程度に、使える財産はすべて活用することも重要なポイントになってきます。ただし、兄弟や姉妹がいる場合や相続税が生じる場合などは、甘い期待をせずに対策を考えておく必要も忘れずに。
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「勝ち組」のヒントも「負け組」のヒントも、自分の将来の年金や老後の生活を考えるきっかけになれば幸いです。いずれにせよ、「国にお任せ」「会社にお任せ」で老後は何とかなる時代は終わりました。自分なりの対策が大切になってきているのです。
[バックナンバー]
○夫婦編「当たり前と思ったあの選択が年金負け組に?」
○男性シングル編「寂しいシングルの老後にならないために!」