5)とにかく、あらゆる「借金」を避けよう!
次に考えたいのは、あらゆる借金を避けた生活を送る、ということです。借金をしてトクをする可能性を考えてみてください。もしトクする可能性があるとしたら、借金をした以上のプラスをその借金から生み出せた場合です。たとえば100万円借りて150万円の価値が得られればその借金には価値があることになります。会社が銀行から事業資金の借り入れをするのは、それを元手に商売をして借り入れ以上の価値を生み出すことができるからです。しかし、個人の借金でそういうことはほとんどありません。普通に買い物する限りは100万円の借金が150万円の買い物にはなりません。本人は「この買い物はプレミアム商品だから150万円の価値がある」と思っても、質屋がその値段で買い取ってくれることはまれです。
むしろ100万円の借金をよく眺めてみると、実態は110万円の借金であったりします。借金には必ず「利息」が生じるからです。100万円借りたら110万円返す、あるいは120万円以上返す、と思うことが必要です。つまり、今の100万円の借金は100万円より高いマイナスなのです。
こうして考えてみると、借金のほとんどは割に合わないことが分かります。量販店で1%安い商品を探す努力を一生懸命するのに、年率20%以上のお金を簡単に借りてしまうのでは、まったくもって割が合わないわけです。1%安い商品をリボ払いで買うくらいなら、3%高くても現金で買うほうがいいぐらいです!
不動産も同様です。3000万円のローンは返済総額で見れば4000万円以上の借金ですが、土地だけの正味の価値は2000万円程度ということもあります。特にマンションなどは倒壊してしまえば、土地の値段はわずかなものですから、価値はもっと少なくなるでそう。ローンの損得は営業マンの話より厳しく考えておくべきでしょう(値上がりの可能性を過信しない)。
強いて借金がプラスになる可能性をあげると、借金で学校に通うなどして資格をとりキャリアアップすることがあげられます。その後の年収増を長い目で見れば借金以上の稼ぎが得られた、というわけです。ただし、これも必ず成功するとは限りませんので注意が必要です。失敗した場合は借金だけが残るわけですから。やはり借金は可能な限り避けておいたほうがよさそうです。
長い人生の中で、借金とつきあっていくことを完全に断ち切るのは難しいと思います。しかし「できるだけ借金は避ける」という原則を忘れないようにしておきましょう。そのうえで、「どうしてもしなくてはいけない借金」を考えていってください。
→その6 「貯金」癖があれば人生がラクになる!
普通・自分を考える/セオリーを信じない/稼ぎを増やす/暮らしぶりを意識/借金を避ける/貯金癖をつける/まとめ 一歩先を予測し備える