2)親の「セオリー」は信じないほうがいい!
また、この世代がマネープランや生活設計を考えるとき、心得ていただきたいのは「親の言うことは参考程度に聞いておこう」ということです。あえて強く言い切ってしまいますが、親の世代のお金に関するアドバイスはあまり役に立たないと思ったほうがいいかと思います。親の世代と我々の世代はサバイバル環境がまったく違います。給料は毎年増えたりしないし、年齢が上がれば待遇が良くなることも期待できないし、ローンを抱えていてもそれ以上に家の値段があがるとは思えません。そう単純なテンプレートで捉えきれないと思います。
「お金」に関する考え方も環境もかなり激変しました。個人が株式運用をすることはかつては博打の部類と考えられていましたし、手数料も高く割に合わないことが多かったのですが、今では手数料も安く商品も多様化しています。またインターネットの普及に伴う利便性の向上も大きな変化です。もちろん、預貯金は超低金利です。かつての「お金」の当たり前は通用しなくなっています。
こんなとき、親のアドバイスが「現在進行形」なアドバイスになっているかを十分見極めて聞くことが大切です。「昔、そうだったから」というだけの理由で熱心に親が説得してきたとしても、なんとなく高い生命保険に入ったり、なんとなく家を買って35年ローンを組んでみたり、なんとなく株は身を持ち崩すからダメだと思いこんでみたり、当たり前だからと女性が専業主婦してしまうのはあまりにも危険です。親のセオリーは自分に通用しないかも知れない、と一度は疑ってかかることが大切です。
もちろん、親からもらう貴重な助言もたくさんあるでしょう。私も人生の転機で何度か親に相談しましたが、貴重な示唆をもらいました。しかし、無条件で聞き入れてしまうのではなく、それが本当に自分に役立ち、現在に即した情報なのかを考えていくことが大切です。
→その3 「稼ぎ」を増やす方法を考えてみよう
普通・自分を考える/セオリーを信じない/稼ぎを増やす/暮らしぶりを意識/借金を避ける/貯金癖をつける/まとめ 一歩先を予測し備える