運用の目標「想定利回り」は2.26%!
会社が401kをスタートさせるにあたり、多くの場合は今までの退職金制度や企業年金制度を引越ししてきます。そうなると今までの制度は終了し、同じ割合を401kで積み立てていくことになります。このとき、どれくらいの運用を続けていくことができれば、今までの制度と同じ金額の退職金を確保できるかが気になります。これを示すのが「想定利回り」です。想定利回りとは、「毎年、何%の運用を続けていくことができれば、今までの制度で支給していた退職金・企業年金水準と同様の金額になるか」を示した運用の目標となる率のことです。つまり、この数字と同じかそれ以上の運用利回りを平均的に稼いでいかないと、あなたの退職金は減ってしまうというわけです。いってみると、想定利回りは、皆さんの運用のノルマのようなものでしょうか。
想定利回りが低い場合、皆さんの運用ノルマも低く、ある程度稼ぐことができれば今までの退職金水準を維持することができます。しかし、想定利回りが高い場合、皆さんの運用ノルマも高くなりますので、かなりがんばって運用で稼いでいかないと今までの退職金水準を維持するのは難しくなります。要するに、想定利回りは低いほうが皆さんにとってはラクということになります。
従来の企業年金制度などでは目標に年5.5%という高いハードルを用意してきたのですが、会社はこれを維持できずに苦労をしてきました。実現できなかった分や運用がマイナスになった分については何億円といった単位で会社が補填をしてきています。私たちにもこんな高いハードルが押しつけられているのでは大変です。
しかし、今回の調査では、多くの企業の想定利回りは「年2.0%」か「年2.5%」に集中していることが明らかとなりました。この2つだけで全体の7割近いほどの圧倒的シェアです。私たちの負担はずいぶんラクになっていることが分かります。ちなみに平均では2.26%です。
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