つまらない8:メインバンクにお金を残しておかない
「つまらない人」は見える範囲にお金をおきません。おいておくとつい使ってしまいたくなるからです。つまらない人はメインバンクにお金を残さないのです。給料日前にメインバンクに数万円残っていたらどうなるでしょう。使いたくなるのは当たり前です。「給料日に残っていたお金を貯金する」という計画は絶対にうまくいかないものです。使い切るように無意識にコントロールしてしまうからです。
あるいは給料日当日に銀行の残高がたくさんあるのを見るとどうでしょう。心が大きくなった気分になり、何かどーんと買い物をしたくなります。1カ月仕事をがんばったご褒美も大切ですが、いつもいつも無駄遣いをしていては何も残りません。もっと賢くいきたいものです。
対策としては、メインバンクから別の銀行口座にお金を移しておくことが有効です。額縁やタンスの裏に隠すへそくりではありませんが、いつもあまり見ていないところに移すのです。たとえば、同じ銀行でも普通預金の口座から定期預金や積立預金の口座にお金を移せば、見えるところ(普通預金)の残高はなくなります。
あるいはいったんおろして別の銀行の口座に振り込んでおくともっと有効です。いつもは使わない「隠し口座」を用意しておき、そこに入れておくわけです。残念ながらスイス銀行とはいきませんが、秘密気分を楽しめるといいでしょう。
私の場合、メインバンクの他に「絶対おろさないぞ口座」と「めったに使わないぞ口座」があります。「絶対おろさないぞ口座」には基本的にはおろさなくてすむ無理のない金額を毎月給料日に振り込みます。自分でやるのは面倒ですが、他行への振込手数料を払うのはもったいないので銀行と銀行を移動して振り込みをします。「めったに使わないぞ口座」については一定額をメインバンクに残しそれ以上のお金を移しておきます。「絶対おろさないぞ口座」の残高が徐々に増えてくるのを見るのはなかなか楽しいものです。資産運用ではメンタル・アカウンティング(心理的なお金の区分)が不効率になることが多いのですが、「貯め始める」のレベルでは有効です。
もし、こうしたスイッチを自動的に働かせたいなら、ちょっとした手続きをしておくのも有効です。銀行であれば積立預金(積立で投資信託を買うプランもあります)、会社がやっているなら財形貯蓄を利用すれば、給与振込日に自動的に引き落とし(財形は天引き)されますので、確実に貯められます。ちなみに、この戦略、「おろすのが面倒な口座」ほど効果を発揮しますので、財形年金や個人向け国債の購入、証券口座の活用などは有効です。
つまらないけれど確実なやり方をしている人ほど、上手にお金が貯められるのは間違いありません。あなたも「つまらない人」になって銀行とおつきあいしてみてはどうでしょうか。
次回は「つまらない運用」。お楽しみに。
(つまらない運用方法)
●ボーナスは半分しか使わない
●デイトレードはせず長期投資に追加投資をする
●アクティブファンドは買わず、インデックスファンドを買う
●発売されたばかりの新しい商品は買わない
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(つまらない買い物の仕方)
●外食しないで家で食べる
●中古を最大限活用し、古いものを長く使う
●衝動買いせず吟味を重ねて値頃なものを買う
●背伸びせず自分にちょうどいい値段のものを買う