中毒その6●自分の能力にギャラは適当か考えてない人
自分の能力と自分の年収はバランスがとれていると思いますか? もし、こうした質問にすぐ返事できないようでしたら、あなたもマネー中毒にかかっています。これはすぐにでもデトックスが必要です。人生において、自分の稼げる期間はあまり長くありません。プロ野球選手やサッカー選手ほど短くはありませんが、どんなに長く見積もっても70歳以上も稼ぎ続けることは珍しいでしょう。仮に60歳と見積もった場合、40歳であれば、残り20年しかないわけです。年収500万円のままであれば20年で稼げる額は1億円ですが、年収800万円なら20年で1億6000万円稼げます。もちろん、年収が1000万円を超えれば2億円以上です。その差は決して無視できるものではありません。つまり、もっと稼げる能力のある人が低い年収で満足している場合、大きな差がついてしまうということなのです。
また、残り20年間の収入が単純計算で「今の年収×20」といえるかはわかりません。なんとなく、年収は将来に向けて上がっていくものだと思っているのでしたら、そうした幻想は諦めておく方が懸命です。労働者の平均を見ても、年収のピークは40歳代後半で、50歳代以降は下がっていきます。ピークはまもなくであって、この先下がるのであれば、「×15」くらいにしかならないかもしれません。あるいはもっと少なくなるかもしれません。だとしたら、稼げるうちに自分の能力を活かしてきっちり稼いでおかなければなりません。手前の10年で稼げる金額を増やすのです。
今の自分の能力に年収が見合っているかは重要な要素です。もし、今の年収が自分の能力以下であると思うのであれば、年収を上げる方法を必死に考えてみる必要があります。あなたはあなたの「稼ぐ力」を浪費しているわけです。1年たつごとに100万円単位で損をしているようなものです。株や競馬で損をすると悔しがるのに「稼げる力」を浪費して悔しがらないのはおかしな話です(競馬で100万円損したらあなたはどうしますか?) 今すぐ転職の可能性を調べてみるなり、とりあえず何か行動が必要です。それがデトックスの一歩です。
もし今の能力と年収がトントンだと思う人は、2つのことを考えてみましょう。1つは「実は自分の能力は周囲からもっと高く評価されているかもしれない」という可能性。だとすれば、本当はもっと高い年収をもらってもいいわけです。2つは「今の自分がもっと能力を高めれば、年収も高くもらえる」という可能性です。今日明日の変化ではないかもしれませんが、さらに稼ぎを増やすチャンスがあるわけです。
もし、自分の能力と年収のバランスが見当もつかないという人は、転職情報サイトなどで登録してみてはどうでしょうか。こうした会社は過去のノウハウを元に、あなたの適正年収のシミュレーションをしてくれます。ひとつの参考でしかありませんが、それでも一人で悩んでいるより大きな参考になることでしょう。
ちなみに、私は自分の年収は自分の能力以上に過分に評価いただいていると感じています。つまり、がくんと下がる可能性もあるわけです。だから強い危機感を感じてレベルアップをすることを考えています。もし同じ人がいたら、今の自分はラッキーであると思って、能力アップに努力してみてください。来年のあなたの能力が高まれば、今の年収はあなたにとって相応なものになるかもしれません。もしかすると、年収が不相応に感じられるかも?
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