中毒その7●キャッシングすることに抵抗がない人
最初のデトックスは「キャッシングすることに抵抗ない人」から始めたいと思います。これはかなりヤバい中毒です。完全な借金中毒といってもいいでしょう。確かに銀行や消費者金融、クレジットカード会社は簡単にお金を貸してくれます。すごい世の中になりました。親や兄弟、あるいは親族に頭を下げなくても免許証を提示さえすれば簡単にお金が借りれるのです。もちろん、私たちに信用があればこそですが、だからといって安易にお金を借りていい理由にはなりません。
このコーナーでも何度か書いていますが、お金を借りて経済的にトクすることはほとんどありません。たとえば10万円を借りて買い物して、金利を2万円払ったとして、その価値が将来12万円以上になることがあるでしょうか。食事をしてしまえば何も残りません(思い出はともかくとして)。服をキャッシングで買ったところで、たいていの場合、数年すると捨てるかリサイクルがせいぜいでしょう。トクすることといえば、「欲しいときにすぐ買えた」という一瞬だけの満足感です。ストレス解消にはなるでしょうが、それもはかないものです。
「借りて買い物をする」「借りて生活資金をなんとかつなぐ」、どんなやり方であろうと「借りる」のは未来の自分の収入にすぎないのです。ドラえもんの道具で「将来○○をするから」と約束して、今その快楽を先取りするアイテムがありましたが、当然後になればなるほど苦労することになります。結局は皆さんの借金も同じことです。いつまでたっても返せないと苦しむことになるわけです。
デトックスの方法は「返済!」&「二度と借りない」ことです。少なくとも今日からは新規のキャッシングはストップしましょう。まずは財布からキャッシングのカードをすべて出して引き出しに放り込むことです。二つに割って不燃ゴミに出せれば一番です。手元にあるとついつい使ってしまいますから、少なくとも遠ざけてしまうことから始めましょう。
気軽にキャッシングを使っていた生活を止めると、最初の数カ月はしんどいことでしょう。しかし「毒素が体外に排出されているんだ」と思ってここはガマン。ボーナスのときには一気に返済して毒素を出し切ってしまいましょう。
上手にデトックスが完了したら(つまり、返済ができたら)、それはそれはすがすがしい気持ちになるはずです。町の風景も、空気も違って見えるかもしれませんよ。ぜひマネーデトックスにチャレンジしてみてください。
また、今回グレーゾーン金利が撤廃されるから、借りてもいいんだろうと思っているならそれも間違いです。仮にグレーゾーン金利が撤廃されたとしても、消費者金融は恐ろしいほど高金利です。きちんと信用を積み重ねている人であれば、クレジットカードでキャッシングできる枠があるはずです。調べてみると年利10%代でお金が借りれることがあります。あるいは銀行でローンカードを作ってもらえば年利10%以下で借りれる場合も。どこでお金を借りてもお金の価値は変わりませんから、低利で借りれるところのチェックはしておきましょう(もちろん、どんな低利であっても借りないほうが絶対におトクなのは間違いありません)。
→リボルビング払いを使う人は中毒?