401kはしっかり普及しているぞ
401kと中小企業? |
本コーナーでも何度か、そうした有名企業の紹介などをしてきました。皆さんが日常でお世話になっているあの企業も実は401kだったりします。たとえば、お湯を沸かせば東京ガスが401k、テレビをつければTBSも日テレも401k、小田急電車に乗れば401k、日産自動車に乗っても401k、スタバでコーヒーを飲めば401k、吉野家で牛丼食べれば401k、伊勢丹で服を買えば401k、といった具合です。私たちの日常に関係する会社の多くが、すでに401kを導入していたりするんですね。ちなみに、このサイトを運営しているAllAboutの会社も今年の1月から401kをやっている会社だったりします。
すでに、日本における401k導入企業は8000社を超え、利用している社員の数も210万人に達しています。資産額は3兆円を超えているとされていますので、ざっくり1人あたり140万円の資産を持っており、自分で運用している計算です。
ところで、401kというと大企業、有名企業が採用する制度だと思っている人も多いと思います。確かに、制度がスタートした直後は、大企業ばかりが401kを採用していました。2002年5月末のデータでは95あった規約のうち、中小企業の割合は6割以下で、しかもほとんどば大企業の系列子会社でした。親会社が401kにしたので、ウチも、という感じです。本当に中小企業が独自のスタンスで401kを実施している例はごくわずかだったのです。
確かに今まで、「企業年金制度」というのは大企業が実施するもの、というのが相場でした。中小企業は退職一時金のみ、というケースが多かったのです。しかし、401k制度は中小企業でも利用しやすい制度になっています。というのも、会社は毎月の掛金を入金すればその後の運用責任を負わなくてすむからです。毎月の掛金だけを計算すればよいので、企業年金制度のように複雑な数理計算も必要ありません。401kをきっかけに、手軽に退職金の充実に企業が取り組める環境が整ってきたのです。
従業員にとってみても、そう悪い話ではありません。確かに自分で運用を選択するので、うまくいかなかったときは大変ですが、会社が倒産しても401kの財産は全額保護されますし、転職したときは自己都合退職でカットされることなく(勤続3年以上の場合)、そのまま持ち運ぶことができます。もちろん、運用がうまくいけば、それはそのまま自分の老後の財産になるわけです。
401kという制度がスタートしてから5年がたち、状況はずいぶん変化してきているのです。その実体は次のページで。