(目次)
■年金を未納する人が多くても破綻しない?
■未納者の数は340万人、5%以下!?
■未納で破綻しないが、破綻する?
■未納対策の決め手、いくつか

年金を未納する人が多くても破綻しない?

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未納で破綻はしない!?
国の年金制度について議論するとき、よく言われる言葉として「未納する人が増えれば制度が破綻する」というものがあります。「年金制度は世代間扶養の仕組みである」→「高齢者は増え、未納者が増えれば収支が崩れる」→「制度が破綻する」という感じです。だからこそ、未納者は減らさなければならない、あるいは制度を見直さなければならない、と今まで言われてきました。

実はこの点については、この春にほぼ完全に否定されたことをご存じでしょうか? 実は年金を未納する人が増えても、年金制度そのものの財政には影響を与えず、破綻もしないのです。

国は次の年金改正に向けて(あるいは前回の年金改正の反省を踏まえて)、いろいろな会議を行いいろいろな情報を公開しています。そのひとつとして、社会保障国民会議における試算が公表されました(→PDF資料はこちら)。

これによると、国民年金の未納率が現状程度(65%)であっても、社会保険庁の目標値(80%)であっても、よりうまくいった場合(90%)であっても、ほとんど影響がない結果となりました。というのは、
「保険料を未納した人=将来年金を受けられない人=将来の年金給付に影響しない」
「きちんと納付した人=将来年金を受けられる人=将来の年金給付が増える」

という関係があるからです。つまり「保険料収入増=将来の給付増/保険料収入減=将来の給付減」となってしまうので、未納する人が増えるか減るかは、基本的にトントンの関係が生じてしまうのです。

にわかには信じがたい結論でしたので、「厚生労働省が数字を調整したのではないか」という意見もあったようですが、上記の理屈を考え直せば当たり前ともいえる結論だと思います。むしろ未納した人が多いほうが国庫負担が1兆円下がり、国は負担がラクになるともいえるくらいです。

とはいえ、未納で制度が破綻しないとしても、制度が破綻するおそれは消えたわけではありませんし、未納を無視してよいというわけでもありません。次のページでまず未納者の実態を考えてみましょう。