結婚という差(3)子どもをもつ場合と持たない場合の差
結果として子宝に恵まれなかったという夫婦もあるでしょうが、子どもを作らない、という選択をする夫婦もあります。共働きで子どもを持たない夫婦をDINKSなどといいます。子どもを持つか持たないか、はマネー的にも大きな違いです。子どもは少なくとも1000万円、現実的には2000万円程度のお金がかかる存在であることは間違いないからです(AIU保険の調査によれば食費・おこづかい・服代や学費など全部合計すると2985万円かかるという)。
子どもがもたらしてくれる喜びや幸せは計算できるものではありませんが、実際に子どもにかかるコストそのものはきちんと考えておくことが大切です。特に考えておきたいのは高校と大学の学費ということになるでしょう。国民生活金融公庫によれば高校と大学の7年間でかかる費用は合計で1045万円だそうです。「お金がないから、大学には行くな」とか「お金がないから○□学部は諦めろ」という制約を子に課すのは残念なことですから、きちんと準備をしておきたいものです。
さて、こうした大きな負担がないDINKS層についてはその分を自分たちの生活の豊かさに振り向けることができます。しかし、注意しておきたいのは老後です。共働きであっても、受けられる年金には限りがありますので、老後にガクンと生活水準を下げなければいけないおそれがあるからです。たとえば、今まで夫婦の合計所得毎月70万円で暮らしていたのが、夫婦の年金合計毎月30万円でも耐えられるでしょうか(これでも妻が専業主婦であった場合よりかなり多い)。かなり厳しいと思います。
DINKS層については、せっかく現役時代に余裕があるわけですから、毎月の消費だけに振り向けるのではなく、老後のための積み立てを堅実に行っていくことが大切です。そう考えると、DINKSが得かどうかは、老後も含めて考えなければ分からないといえます。
また、人生の満足をどこに置くかは人それぞれですので、あまり「子どもがいる=損」というような短絡的議論にならないような注意もしておきたいところです。意外にお互いに「隣の芝生は青く見える」だけなのかもしれません。
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