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HP プリンタレビュー プリンタの用途いろいろ(4ページ目)

“目立たないが着実な進化を遂げた日本HP社製のプリンタ”、なかでも特に HP Photosmart 2710、HP PSC 2355 を中心にご紹介をしましょう。

木下 幹司

執筆者:木下 幹司

Macガイド


カラーマッチングについて


写真印刷において、解像度、色数の次に重要なのが「カラーマッチング」です。デジカメなどの画像データで高品質なものは約1670万色により構成されますが、プリント時にはこれらの色データをCMYKに分解して出力しなければなりません。
そして、この分解の処理が高品質であればあるほど色再現性に優れた鮮やかな印刷が可能になるのです。
HPの新しいドライバでは、カラーマッチング方法が従来の2種類から「ColorSmart/sRGB、グレースケール、ColorSync、アプリケーション管理カラー、AdobeRGB」の5種類に拡張され、カラーマッチングを自由に選択することができるようになりました。※グレースケールはモノクロ印刷です。

【カラーマッチング方法の選択】

【HP Photosmart 2710 によるカラーモード別印刷結果】


品質モードの種類とそれぞれのスピード


HPのプリンタドライバでは印刷品質を5種類から選択が可能で、それぞれ印刷速度が変わってきます。


Mac OS X のプリントダイアログでは、
「用紙の種類/品質」からプリントの品質を選択できます。


それぞれの品質モードの違いは、印刷時の内部処理解像度(dpi)とカラー補正精度の違いであり、

「はやい(最速)」がデジタルフォト補正なしの300dpi、
「はやい(標準)」がデジタルフォト補正なしの 600dpi 、
「きれい」がデジタルフォト補正あり、カラー補正が“普通”の600dpi、
「高画質」がデジタルフォト補正あり、カラー補正が“高度”の 600dpi、
「最大 dpi」が高画質と同じカラー補正が可能な1200 dpi (※1)

となっています。

これらのうち、写真をいちばんきれいに印刷したい場合でも「きれい」または「高画質」を使えば十分でしょう。
そもそも、一般的なデジカメの最高解像度を使った写真印刷でも 300dpi ~ 600dpi 程度(※2)ですし、これらのデータを1200dpi で処理しても元のものより高解像度になる訳ではないので、600dpi の解像度で十分なのです。
実際問題として、E社の PX-G920 の内部処理解像度は最大720dpi ですし、C社のPIXUS iP8600 でも 最大600dpi ですから、HP プリンタの「最大 dpi」の 1200dpi というのは巨大な画像を扱うプロ向けの品質モードになります。

そして、「きれい」と「高画質」の違いとなるカラー補正も、実際の印刷結果ではほとんど違いは見られないので、よほどのことがないかぎり「きれい」で十分満足できます。

【「きれい」と「高画質」の違いを黒のグラデーションで比較】

(3色カラー + フォトカラーで印刷)

よって、HP のプリンタで印刷するときは、印刷速度と品質のバランスから「きれい」がいちばんオススメなのです。
(※1)「用紙の種類」がフォト用紙 以上(高品位印刷できるもの)でなければ、600dpi になります。
(※2)400万画素のデジカメで撮影したデータをL版用紙全体に合わせて印刷した場合には約480dpi になります。

HP Photosmart 2710 と HP PSC 2355 による
【「写真 L判、フチなし」印刷速度比較】
印刷速度計測は用紙吸入が開始してから、完全に用紙が排出されるまでを計測
ともに3色カラー + フォトカラー使用しています。(※3)
印刷品質 →
↓機種名
はやい(標準)
きれい
高画質
最大dpi
Photosmart 2710 30秒14【○】 46秒01
【◎】
1分34秒57
【◎】
2分18秒11
【◎】
PSC 2355 34秒62【○】 49秒87
【◎】
2分21秒98
【◎】
3分08秒41
【◎】
【】内の ◎ は最高の品質、○は最高には劣るが、肉眼で比べたかぎりではほとんどわからない程度の美しさという意味。はやい(標準)モードでもルーペなどを使わないと品質の違いがわからないくらい“きれい”なので、写真を使わない年賀状印刷程度ならば、高速に印刷できる はやい(標準)モードがおすすめです。

参考)各メーカー カタログ値より
C社 PIXUS iP8600 での L判 フチなし印刷(23秒)
E社 PX-G920 での きれいモード* L判 フチなし印刷(42秒)
 *高精細モードが最高画質です。

(※3)HP PSC 2355 ではフォトカラーインクはオプションです。
補足)「内部処理解像度」と「「最大 dpi」の用途」について
内部処理解像度とは、「ドライバ上で処理される解像度」のことで、C社やE社の最上位機種でも最大720dpi ~ 600dpi となっています。カタログ表記では4800dpi だとか 5760dpi という記述がありますが、これらはあくまで、プリンタがインクをドロップする場合の1ドットあたりの間隔という意味で、4800(5760) dpi の画像を印刷できるという意味ではありません。

インクジェットプリンタというのは、画面より表現可能な色数が少なく、一つの色を構成するのに複数のインクの粒を並べて“それらしく”見せなければなりません。これは、元になる画像データ1ドットあたりにおおよそ 8 x 2 ドット ~ 8 x 4 ドット※ くらいを使用します。(※4800 / 8 = 600 、2400 /4 = 600 ,5760 / 8 = 720、1440 /2 = 720)

このような理由から、E社のものは720dpi、C社のものは600dpiを上限として設定しており、どんなに高精細なプリントを行う設定にしても、720dpi (600dpi)以上の画像データは正確にはプリントできなくなっています。
(データ変換時の解像度はこちらのソフト で調査 ※ Windows 用)

対して、HPのプリンタでは「最大 dpi」のモードを使用することで「内部処理解像度」を1200dpi まで上げることができます。
このモードは、より精度の高いプリントをサポートするために用意されており、画像データが実際の印刷時にも1200dpi になるような高精細なデータである場合、以下の図のように明らかな差がでるのです。これもHPのプリンタを選ぶメリットの一つといえるでしょう。

【1200dpi画像を出力した場合】

 

※この画像は実際の印刷結果の違いを理解できるように作成したイメージです。
実際の印刷結果とは若干異なる場合があります。


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