温泉/東北の温泉

濁り湯、湯段温泉と白濁した酸性泉の嶽温泉

岩木山の麓には嶽温泉を筆頭に各所に温泉がある。白濁した硫黄を含む酸性泉の嶽と緑褐色の鄙びた温泉地、湯段温泉。さらに秘湯、常盤野温泉のレポート

執筆者:郡司 勇


炭酸の残る濁り湯、湯段温泉と白濁した酸性泉の嶽温泉



岩木山の麓には嶽温泉を筆頭に各所に温泉がある。白濁した硫黄を含む酸性泉の嶽と緑褐色の鄙びた温泉地、湯段温泉。さらに秘湯、常盤野温泉のレポート


 

 1 湯段温泉 (温泉地再訪) 静明館泊 


1. 素泊まり3200円 
2. 湯段は5つの宿は同じ源泉
3. 炭酸の残る重炭酸土類食塩泉
4.緑色に濁る湯



静明1
木造2階の入母屋の外観



湯段温泉の泉質が好きで、本日宿泊しようと思い長兵衛旅館に電話するが、宿の人が不在で留守番の人だけであった。また30分後に電話するように言われた。しかし隣の静明館に電話すると素泊まりでやっているとのことで宿泊を決めた。コンビニで夕食を揃え夜道を湯段に向けて走る。標高が高く、寒い夜であった。暖房費込みで3200円であった。長兵衛旅館が改築された今ではこの静明館が一番古い造りであった。


静明2
板の床に褐色の湯



木造の2階建て一部3階建てで、1階は改装されているが2階、3階は古いままである。3階は使っていないので2階の古い落ち着きのある部屋に通された。含重炭酸土類食塩泉(NaMgCa-Cl,HCO3)で炭酸の感触の残る重炭酸土類系の食塩泉である。4軒の宿は同じ源泉とのことである。いままで長兵衛旅館でしか入浴していなかったが、このたび違う浴槽にも入浴できた。


静明3
縁に析出物の付いた浴槽



タイル貼りの小さな浴槽は析出物で茶色いコンクリート製のようになっている。周囲は木のすのこである。小さな浴槽に掛け流しなので新鮮で、入浴するとまず体感清涼感がある。安楽温泉や只見川周辺の玉梨、八町などの重炭酸土類泉を思い出す。湯は透明ながら浴槽は煮締めたように濃い茶色に染まり、炭酸エグ味、炭酸臭と甘い金気臭がある。好きなタイプの温泉である。ここだけでなく百沢、三本柳、常盤野、桜温泉なども同系の泉質でこの地域はどこも再訪したくなる地域である。析出物はそれほど付かないが薄く褐色の硬いものが付く。青森の鄙びた温泉地である。



湯段温泉 静明館
■所在地 青森県中津軽郡岩木町常盤野 TEL 0172-83-2150
 ■泉質 ナトリウム・マグネシウム・カルシウム・塩化物泉(含塩化土類食塩泉) 
 ■日帰り利用料 大人250円、小人150円
 ■設備等 男女別内湯のみ
  • 湯段温泉 静明館


     2 湯段温泉 長兵衛旅館 (再訪) 


    1. 体感清涼感あり CO2 276
    2. 小さなタイルの内湯浴槽のみ
    3. 赤褐色の析出物あり



    長兵衛1
    改修された外装の小さな宿



    翌朝、一番で長兵衛旅館にも入浴した。タイル貼りの浴槽に析出物が付き褐色に染まっている。掛け流しが床に広く流れている。分析表があった。45.5度の総計2891mgの重炭酸土類食塩泉でNa 365 K 55 NH4 4.56 Mg 114.9 Ca 192 Cl 735 SO4 266 HCO3 654 という組成である。


    長兵衛2
    褐色に染まった床が風格がある



    土類を適度に含む食塩泉である。CO2は276mgであるが45.5度にしては良く残り、感触に残っている。透明ささ濁り、赤褐色析出物、少炭酸味+金気渋味、金気臭と2.7mgの鉄分の個性も良く出ている。炭酸の感触や味覚と塩分によるエグ味、鉄に拠る金気臭などが渾然となり良い温泉の表情となっていた。


    長兵衛3
    掛け流しの内湯浴槽のみ



    湯段温泉 長兵衛旅館
    中津軽郡岩木町大字常盤野字湯段萢33-2 
    (0172)83-2151
    立寄り時間要問合せ/250円
  • 湯段温泉 長兵衛旅館

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