温泉/北海道の温泉

秘湯、コバルトブルーの野湯「金華湯」(2ページ目)

島牧村にある到達困難な山奥の野湯、石灰華が棚田状に発達した日本のミニパムッカレ「金華湯」のレポート。オフロードバイクで到達したが徒歩1時間あまりを要した。白亜の斜面に湯が溢れ4箇所の浴槽が出来ていた

執筆者:郡司 勇


金華6
ひょうたん型の金華湯は入浴すると白濁した


この下の3つの浴槽部分は棚田のようで、トルコのパムッカレのような景観になっている。ミニパムッカレと言ってもよいであろう。析出物は細かいうろこ状になっており、真っ白か薄い黄色で神々しい。写真をかなり撮った。

金華7
湯が流れ込む方向からのカット


湯は単純硫黄泉または析出物の多さから考え含硫黄重曹泉であろう。透明薄青白濁、たまご甘味、硫黄臭であった。澄んでいると薄い青透明であるがビロードのような硫黄泉特有の析出物が攪拌され、白濁する。甘い硫黄臭で温泉の質は非常に良いものであった。

金華8
棚田中央の浴槽


酸味や塩味はなく硫黄の個性のみ際立っていた。炭酸の味覚は感じられないが二股ラジウム温泉のように大きな析出物丘になっているのがふしぎである。100mg程度の少量の炭酸分ですぐカルシウムと炭酸カルシウムを形成してしまうのかもしれない。源泉の温度は45、6度で浴槽で40度ほどになっている。

金華9
うろこ状の析出物の詳細


析出物以外の個性は仄かな感じで、良い泉質である。硫黄の含有量も10mg前後と思われるさわやかな湯であった。


金華10
一番大きな金華湯全景


金華湯手前の湯
金華湯の手前にヌルイ湯が湧出している地点があり、源泉が流れ小さな湯溜りになっている場所があった。私は小判の湯と思い込み回りに繁茂している草を薙ぎ倒して、源泉を出して泥に埋まれて入浴した。

金華11
手前の湯は泥の溜まった温泉


湯温は35度ほどのヌル湯で金華湯よりさらに薄い単純硫黄泉であろう。仄かな硫黄臭がする、弱いたまご味の源泉であった。


※この記事に書かれている情報は2005年9月時点のものです。ご利用の際には最新情報をご確認ください。


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