3 奥八九郎 野湯
1. 草地の中に湧出している野湯
2. 一面に炭酸の気泡でジャグジー状態
3. 強い炭酸分で危険である、攪拌して入浴する必要あり
天然ジャグジーの湯溜りの光景 |
秋田北部の小坂町には炭酸を多量に含みながら自噴している野湯が3ヶ所あり、八九郎温泉群と呼ばれている。集落の中に過去に共同湯として使われた形跡のある八九郎温泉があり、林道を山に入ると奥八九郎温泉、そのさらに奥に奥奥八九郎温泉とある。奥奥八九郎が一番温度があり、析出物も多く存在感がある。その手前に草の中に小さな湧出があり奥八九郎温泉と言われている。この奥八九郎温泉をロストしそうになった。T字路になっていたと思っていた分岐は、鋭角な曲がり道であった。ここは人が少ないのか虻がやや少なかった。
炭酸が多いので酸欠に注意 |
草の中に円形にある炭酸ジャグジー状態の温泉である。奥八九郎温泉は以前来たときと同じく健在であった。草の中に低くなっている部分が湧出地点なので、炭酸が湯面に漂っており、少量だが吸い込んで喘息状態となった。ここが一番要注意であろう。湯は38度の炭酸泉で成分的には土類重曹系であると思われる。PHを計測したが8から8.5ほどのアルカリ性である。透明、炭酸味、刺激臭と記録した。ここは炭酸の湧出が多いが湯の湧出は少なく、少量道路側に流れ出していた。
4 奥奥八九郎 野湯
1. 日本屈指の野湯、壮大な析出物
2. 熱い湯で炭酸刺激体感もある
3. 源泉口はボコボコと炭酸が激しく湧出し体が浮き上がる。
析出物で固化した湧出口浴槽 |
緑の林の中に忽然と析出物台地が現れ、激しい炭酸とともに温泉が湧出している。貴重なものであるが、現在は有名になってしまい、案内看板まで付いている。しかし貴重な温泉である、大切に使って欲しい自然である。
析出物台地に3つの浴槽が造られている |
多量に湧出している炭酸とともに、湯の中に含有している土類成分を取り込み、析出物が多く溜まる源泉で、今回の析出物の多い温泉で取り上げた。中央の湧出口は多量の炭酸がジャグジー状態で湧出しており、酸欠の危険があるほどである。
源泉湧出浴槽はやや熱め |
現在は手前に2箇所の浴槽、奥に大きめな浴槽があり合計3箇所の浴槽になっていた。手前2つは湯量が多く流れ込んでおり、43度ほどの高温になっている。さらに炭酸の清涼感が加わり体感温度はたいへん高く、短時間の入浴しかできない。奥の細長い浴槽で入浴し撮影した。
源泉の横の小さな浴槽も析出物で一杯 |
湧出口と隣の浴槽は析出物が固化していて、陶器のようになっているがその他の浴槽および析出物台地は柔らかく、黄色い土のような硬さである。湧出口では透明であるが、次の浴槽では茶褐色に濁っている。
一番大きな浴槽は壁に炭酸泡が一面に付いている |
炭酸味のなかに土類渋味がはっきりとわかる。炭酸刺激臭のほかに土類臭もある。ここもPH8から8.5程度で泉質的には土類重曹系か重炭酸土類泉であろう。
次は日本屈指の野湯、八九郎温泉と荻平温泉