日本屈指の炭酸含有量、大塩温泉共同湯と季節露天風呂
只見川に沿った南会津は渓谷が美しく、温泉もある秘境である。その中でも個性的な温泉が大塩温泉である。しっかりした食塩泉ながら炭酸分を2800mg以上含み全国的にも炭酸含有量が多い温泉である。そのため入浴すると身体が冷える感触のある貴重な温泉である。そして雪解けの一時期のみ出現する露天風呂も素晴らしい。
1 大塩温泉 岩崎屋旅館
1. 飲料用の炭酸泉を沸かす
2. 加熱源泉掛け流しのまま、循環加熱
3. 透明、無味、無臭
4. 源泉も炭酸分は少ない
簡素な木造2階の外観 |
国道252号線をひたすら走り南会津奥地の大塩温泉に泊まった。日本有数の山深い地域で電源開発に拠るダム湖となった只見川が緑色の湖水となって続き、5月では残雪と桜の咲く春の遅い地域である。しかし箱庭のような美しい景観が続き、日本各地を歩いてきたがこの南会津、只見地区は美しさ抜群で、好きな地方となっている。
炭酸泉を沸かした内湯 |
さて大塩共同湯に入浴したが宿泊のたつみ荘には浴室がないとのことで大家の岩崎屋旅館で頭を洗った。ここは近くに自噴している炭酸泉を沸かしており、温泉分析もして規定になっているそうだ。三角形のタイル張り内湯のみであるがここに炭酸泉を入れて沸かしている。源泉は炭酸味があるそうだが、沸かすと透明、無味、無臭となっている。源泉もこの時期的なものかもしれないが雪解けの水が大量に加水されているのかは不明であるが、炭酸味は痕跡で透明、少炭酸残り味、無臭であった。加熱源泉を常に足しながら加熱循環の使い方で、源泉に炭酸分がもう少し残っていれば良いと思われた。
2 大塩温泉 共同湯
1. 昨晩と朝一で入浴に行く。
2. 凄い体感清涼感 炭酸は露天風呂のほうが多いが、塩分との相乗効果か、冷える感じが伝わってくる。
3. 透明、塩苦味+炭酸味、炭酸臭
4. CO2 2856mgの強力な温泉 塩も濃く良い湯
炭酸で清涼感のある共同湯湯口 |
大塩共同湯は4.5回来ているが最初の訪問でガツンとインパクトがあったので、再訪を繰り返している。昨晩と朝に入浴した。夜は弱く加熱しているらしいが感触はほとんど変わらなかった。最初感じたインパクトとは体感清涼感である。入浴してやや時間が経つと熱いのか冷えているのか分からない不思議な感覚に陥り、湯の中に含有されている炭酸量は全国屈指のものであると思った。
床に掛け流しで奇麗な褐色に染まっている |
周囲の滝沢、玉梨、八町も炭酸を多く含有するがここほどの量ではなく、かつ熱いので源泉ですぐに気化してしまっている。炭酸泉としての湯中含有量はこちらが格段に上である。38度の温度が幸いして長湯ラムネ湯や七里田温泉に匹敵する湯中炭酸含有量である。また浴槽に湯を入れ放しで、掛け流しの新鮮さにもよるのであろう。緑白濁した湯が褐色に染まったコンクリートの小さな浴槽に掛け流しになっている。
川沿いの崖の上にある共同湯 |
湯を飲むと塩苦味の効いた食塩味の中に炭酸の清涼味を感じる。匂いは炭酸刺激臭が強く、8.5mgのかなりの量を含む鉄分の金気臭を押えてしまっている。湯が新鮮なので炭酸臭が納まると色も赤くなり、金気臭も感じてくるのであろう。只見川沿いには個性的温泉が連続しているが、この大塩温泉が出色である。この後に再訪する滝沢、湯倉、玉梨、八町、川口、早戸なども全国レベルの良い湯であるが、この大塩はさらに感動的な良い湯である。
次は一時期のみ現われる季節露天風呂