湯量豊富な山鹿温泉の共同湯、家族湯と菊池渓谷温泉
1 山鹿温泉 新町温泉 家族湯
山鹿市からは325号線のほかに443号線も開始するがその交差点の近くにある家族湯専門の温泉施設。源氏湯家族湯からも500メートルと離れていない。やや古びたアパート風の木造の施設であった。
2 山鹿温泉 サンパレス松坂
サンパレス外観 |
透明、少甘味、無臭 オーバーフロー循環 つるつる
菊地川より分岐した吉田川の対岸は熊入温泉であるが、その山鹿市側にある温泉。宿泊施設も併設した大きな5階建てである。40.2度のアルカリ性単純泉で総計は156mg、PHは9.69。毎分160リットルの湧出である。HCO3 45.8mg CO3 34.1mgであるが主成分になっている。やや大きめの内湯なのでオ-バーフローの循環浴槽であった。透明、少甘味、無臭でつるつるの湯は山鹿温泉一般的なものと同じである。
内湯 |
3 山鹿温泉 上の湯共同湯
透明、少甘味、無臭 つるつる 山鹿はみな独自源泉 掛け流し
山鹿市街を通りぬける豊前街道に沿ってある共同湯。この上の湯共同湯から天聴の蔵、八千代座を通り、足湯、さくら湯のある交差点に至り、千代の園酒造までこの古い街道がある。現在では生活街と観光街との中間のようになって中途半端になっている。まずこの「上の湯」がコンクリート造の無個性のもので、アルミのような金属で化粧しているがまったく周囲の雰囲気と合っていないのが残念である。コンクリート躯体はそのまま木の板で化粧すればよかったと思われる。
掛け流しの共同湯内湯 |
さて湯は近くに源泉のある独自源泉の温泉でタイル張りの浴槽に掛け流されていた。裏手に家族湯も併設されておりこちらは木造の古いバラック風のものである。透明、少甘味、無臭、つるつるの湯であった。ここもヌル湯で、山鹿はヌル湯の名湯として全国に誇れるものであると思う。浴客の一人はもう何時間もそうしていたかのように、入ってから出るまで浴槽内で動かずにいた。
4 山鹿温泉 さくら湯共同湯
さくら湯の外観の一部 |
あし湯と同じ源泉 透明、無味、無臭 HS1.0mg 飲泉場のみ 硫黄臭あり。
山鹿温泉の中心とも言える位置にあるのがこのさくら湯である。現在はプラザファイブというデパートのような商業施設の1階に共同湯「さくら湯」として営業されている。上階にはプールや店舗も付随している。しかしこの大きな建築が街を分断するかのように立ちはだかっているのが残念である。近年の都市計画なのであろうか、しかし軸線がここで終わっているのも幸運である。残念なのがこの「さくら湯」のエントランスが交差点から裏側になっており、90度ずらして豊前街道側になっていたら良かったであろう。しかしエントランスに付いた唐破風の玄関と白大理石で出来た飲泉場や薬師堂の門などが歴史を伝える遺物として残っているのがまだ幸いである。日奈久温泉は別府の竹瓦温泉以上の立派な「本湯」を壊してしまい非常に残念であるがこちらはまだましである。国内の例で言うと野沢温泉でも山田温泉でも伊勢神宮の遷宮のように、木造でまったく同じ形の共同湯を新築された。これは良く温泉街としての将来を考えた末の選択であり素晴らしいと思う。前の飲泉場にある分析表によるとHS(硫化水素イオン)1.0となっており山鹿の分析表では始めて硫黄分を見た、1.0mgならば単純硫黄泉ともいえる。確かに飲泉場の源泉のみわずかに硫黄分がのこり痕跡のたまご味が感知できた。昔は桜湯、紅葉湯、松の湯と3つの共同湯があったと記され、温泉番付は西の五枚目という高位になっていたこともわかった。さて「さくら湯」の湯は大きな内湯になっておりこの大きさに負けずに掛け流しされておりすばらしい。しかし内部の造りが公営のプールのような無味乾燥のもので、やはり木造の天井や腰板などの化粧が欲しかった。
掛け流しの大きな内湯 |
湯の感触は透明、少甘味、無臭のつるつるした湯で山鹿平均を上回っている良い湯で有る。少しながらでも加熱する際にHS1.0mgは飛散してしまうのか?まったく感知できない。しかし重曹系の単純泉で炭酸イオンを多く含む湯で国内でも屈指の美人湯として売り出すべき素地は充分に持っている。入浴時にはつるつるし、湯上りにはさっぱりするという「熱の湯」と称されている湯とは違う「冷えの湯」系である。女性には肌がしっとりとした感じが残り、大々的に美人湯の代表としても遜色無いと思われる。簡単に言うと化粧水のような泉質である。
5 山鹿温泉 再会温泉家族風呂
再会温泉のアパートのような外観 |
やや古びている家族湯 透明、無味、無臭、掛け流し
木造2階建てのアパートのような家族湯、青いタイルに統一された内湯で源泉が弱く掛け流しされている。少しながらでも全個室の湯量が溢れ、横の側溝は大きな湯の流れになっていて山鹿の湯量の片鱗を見ることができる。
再会温泉家族湯 |
家族湯の並ぶ廊下 |
6 山鹿温泉 田島旅館
田島旅館 外観 |
朝の家旅館と同じ源泉、透明、無味、無臭、掛け流し つるつる
山鹿では珍しい共用源泉で「朝の家旅館」と共用しているとのこと。しかし湯量豊富に掛け流しされている。流れた湯は道路際のコンクリート蓋の付いた側溝から湯気がずっと続いている。透明、無味、無臭の掛け流しでつるつるは山鹿一般である。ここは宿泊したので頭や身体を洗ったが、山鹿の湯は美人湯としての素質充分である。石鹸を使うとその日20軒近く入浴してきた私の身体でさえも、とろみが取れずに何度も掛け湯した。アルカリ性のCO3の原因によるつるつる温泉特有の状況である。この旅館だけでなくすべて正当にこの山鹿源泉を使っていればこのようになるであろう。
掛け流しの内湯のみ |
7 菊池渓谷温泉 月華亭
庭園風露天風呂 |
透明、無味、無臭 循環 少つるつる
菊池市より山に登ると阿蘇山の外輪山に抜け大分県への近道となっている。以前は通過してしまったが、この菊地渓谷に温泉があり立派な宿がある。川沿いに雁行して建築された和風新築温泉宿である。大きな内湯と露天風呂で透明、無味、無臭の循環である。アルカリ性単純泉の38度で弱いつるつるがある温泉であった。
※この記事に書かれている情報は2003年11月時点のものです。ご利用の際には最新情報をご確認ください。
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