福島中通りの名湯2題と源泉浴槽の作並温泉3題
1不動温泉 ホテルまるなか
薄黄色のつるつるの湯 |
つるつるやや強し、泡付きは減少した。つるつるは健在
薄黄色透明、少甘味、無臭 掛け流し Mg-Cl系単純泉
福島県の郡山と白河の間には名湯がいくつか存在している。須賀川周辺に大湯量の芹沢温泉ややはり湯量の多い新菊島温泉、そしてこのマルナカ温泉である。3回目の訪問になるマルナカ温泉であるが、今回は泡付きがやや不調であった。しかし湯のつるつるやや強しは健在であった。薄黄色透明、少甘味、無臭の湯が弱く掛け流しになっている。41度の湯なので浴槽では38度ほどになっており、大勢の客がじっと長時間入浴している。以前大量に付いた泡は微小になっていた。総計153mgという極めて薄い成分含有量であるがつるつるの湯で存在感は大きい。陽イオンがMg64.6mg(96%)のみというのは全国的にみても珍しい配合である。陰イオンもClのほかHPO4,Br,Iというのも変わっている。S2O3が1.5mg含有されているため硫黄臭があってもよさそうであるが、感知できなかった。泉質名は温度によるアルカリ性単純泉であるが不思議な湯である。感触的にはいやさか温泉などと同じ重曹系と似ているが組成はまったく違うものである。このつるつるはなんの成分のためであるかが不明であった。
2月光温泉 公衆浴場
月光温泉外観 |
<b>熱い湯、掛け流し 個性は少ない 透明、少薬味、無臭 弱いすべすべあり
郡山のバイパスの近くにある温泉。月光温泉クアハイムという大きな温泉施設と向き合ってある。浴槽のみの公衆浴場的な温泉である。やや鄙びた共同湯といった雰囲気である。洋風の意匠が場末のバーのように見える。
簡素な掛け流し内湯 |
クアハイムとは別源泉で総計1381mgの食塩芒硝(Na―SO4、Cl)泉で48度の温泉が毎分616リットルと多量に湧出している。内湯1ヶ所のみの簡素な施設であるが熱い湯がどんどん掛け流しにされており良い。個性は少ないが温泉の見本のようである。透明、少薬味、無臭と記録した。PH9.0でCO3 18.4mgのため、つるつるやすべすべには至らないが弱い滑らかさが感じられた。
3作並温泉 鷹泉閣岩松
曲がりくねって下る階段 |
渓流沿いの天然岩風呂は素晴らしい
作並温泉は秋保温泉と並び仙台の奥座敷として有名な温泉地である。以前訪問した、谷底の天然岩風呂が記憶に強い岩松旅館に再訪した。
天然岩の露天風呂 |
渓流に沿った岩風呂は健在で瀟洒な木造の階段がまた風情を盛り上げている。千社札が多数貼られ風格が出ている。折れ曲がる度に温泉に近づくアプローチが良い。さて渓谷の崖より湧出した温泉は4源泉あり、入り口に4枚の分析表が掲示してある。単純泉または芒硝泉で正確には含食塩石膏芒硝泉(NaCa-SO4,Cl)で53から56度の温度である。
河原湯はコンクリートの屋根付き |
総計も4本とも1000mg前後で越えれば後者の泉質名になり1000mg以下であれば単純泉となる。しかしほぼ同系の配合となっている。入り口より左側より湧出して小さな浴槽となっているのが真湯で右側の大きな浴槽で湧出量も多いのが滝の湯である。奥にやや穴のように深くなっているのは鷹の湯で浴槽の縁から木の洗い場に温泉が掛け流されている。この浴槽が一番熱い、最奥にあるのが河原湯でコンクリートの雪洞が屋根になっている。
鷹の湯 |
迫り出した岩が頭上に被さり野性的な浴槽である。足元湧出のみでは熱すぎるのであろう、鷹の湯以外ではほんの微量加水しているところもあるがほとんど問題ない量である。夜と朝に入湯し岩の肌触りを感じながら入浴するのはなんとも気持ちのよいものである。泉質は透明、少苦味、無臭とほとんど個性はないが、温泉本来の持つ良さが伝わってくる天然岩風呂であった.
岩松の内湯は不二の湯といい大きな浴槽に中央より掛け流しにされていて良かった。このような大きなホテルの内湯は循環が多い中、掛け流しなので好感した。
露天風呂横の渓流 |