犬鳴山温泉 湯元温泉荘
温泉荘エントランス |
循環 つるつるやや強し 山の湯はやや新鮮味に欠ける。
山の湯
犬鳴山温泉は以前紀泉閣で入浴し、つるつるの感触はあったが硫黄臭は感知できなかったので、湯元の温泉荘に行った。エントランスの道路が急コーナーの最中に、しかも急な下り坂で取り付いているので、普通の人は通りすぎてしまうと思われる。鄙びた温泉であった。日帰り客には「山の湯」という施設で入浴できる。まずこちらに入浴した。16度の純重曹泉で総計1395mg Na 372mg HCO3 910.4mg CO3 33.5mg HS 0.6mg H2S 0.01という分析値になっている。加湯循環の浴槽は湯が少々汚れていて残念であるが、加湯には少たまご味と微硫黄臭が感知できた。タイル貼りの内湯1つのみの簡素な施設で薄白濁、少たまご味+重曹薬味、微硫黄臭と記録した。つるつるの感触もあり温泉の存在感も充分であるが、源泉オーバーフローを多く取ればさらに良いと思われた。
天然岩風呂は野趣に富む |
湯元温泉荘 岩風呂
カラン自在 つるつる強し 硫黄臭、この岩風呂は良いですなあ
犬鳴山温泉ではこの湯元源泉荘の前、渓流の対岸に源泉があり、温泉センター、み奈美亭、紀泉閣にも送っているとのことである。この源泉を浴槽内部で加熱し、源泉カランは自在にしている。この温泉荘の岩風呂が鉱泉としては最も良い使い方の浴槽であった。宿泊者用であり日帰り客は山の湯を利用することにしている。古い造りの木造の宿でかなり鄙びが来ている。階段を下って行くアプローチで浴室に近づくと、大きな岩の断層が露出している天然岩風呂があった。
天然岩風呂 |
湯が浴槽内で熱く沸かされていたので、源泉カランで多量に源泉を入れ入浴した。湯は新鮮なために「山の湯」ほど白濁していないが仄かに淡く白濁している。そして少たまご味と微硫黄臭は同じく感知できる。しかしこの大岩の浴槽とカラン自在の新鮮さで、こちらのほうがずっと評価が良くなった。そしてつるつるがたいへん強く最高評価の「つるつる強し」であった。湯の中で身体を動かすと湯がまとわりついてくるようなとろみ感があり、手や足のぬるぬるする感触は強いものであった。昭和33年分析の表があり、こちらは総計300mgほどで HS 2.9 CO3 35.4mgである。硫黄臭から考えるとこちらの2.9mgのほうが合っているような気がした。この浴室は薄暗いがかなりの長時間露出で写真を撮った。たいへんワイルドな良い写真が完成した。