温泉/甲信越の温泉

富山の温泉郷 信州、北陸アビルマン紀行3(2ページ目)

富山に出て、能登半島の付け根周辺を回ります。昔ながらの鉱泉宿と、新規掘削の温泉がそれぞれよい物をもち。含蓄の多い地域となりました

執筆者:郡司 勇

17氷見有磯温泉  指崎の湯 
 掛け流し、良い湯、泡付き、複雑な表情  
 平成温泉はポンプ故障。今年中には直したいと
 ご主人談話

簡素な造りの小さな共同湯で、このような外観の温泉は当たりのことが多い、ここも果たしてその通りである。総計4212mgの食塩泉で47.5度が掛け流しで利用されていた。大きな浴槽1つのシンプルなものである。やはり温泉はなにもしていない物が一番良い。薄濁り透明、塩甘味+苦味残る、金気臭ありと記録した。この湯は食塩泉ながら重曹の甘味や芒硝の苦味などの個性も良く残し金気もあるという複雑な表情を持ち、観察すると含蓄のある個性を持っている。さらに湯口付近では40度後半の温泉としては珍しく泡付きも見られ、「筌の口第2」や「ゆくら妻有」などを連想する良い湯であった。泡付きによるつるつるもみられ、温泉の表情のいろいろな側面も持っていた。4グラムほどの食塩泉は各地にあると思うが温泉の個性は分析値だけでは計り知れない微妙な感触の総合であると思った。

18氷見有磯温泉  民宿いけもり
 指崎の湯があまりに良いので源泉のこちらの宿に行く。
 湯を見ると循環、濾過でショック。

指崎の湯で感動した源泉はこの「いけもり」で所有しているとのことで、行ってみた。この湯は濾過され循環されてしまい、つまらない塩味の透明な湯になってしまっていた。湯の濃度は同じながら新鮮味のない湯になっている。ここのことではなく総論として言うと、よくある「源泉100%」と大げさに喧伝している湯はこんな感じが多い。加水していないだけでどんな使い方をしていても、挙句にはタンクローリーで運んでいても、更に何日も循環しても、源泉100%とは言えるのである。残念である。このような温泉施設が全国にいくつあるだろうかと思うと、今までまわった中で、良くなかった温泉もきっと良い源泉で、優劣つけがたいそれぞれの個性を持っているのかなあと連想する。そして今後良い使い方をしてもらいたいと思う。日本中が良い温泉で埋め尽くされどこへ行っても記憶に残る良い温泉ばかりになれば嬉しいこと間違い無しである。


19氷見九殿浜温泉 国民年金保養センターひみ
 源泉加湯しつづけているが余りに少ない、循環
 しかし源泉は良い。つるつるの湯 透明、少塩重曹味、少金気臭
 飲泉場あり    

氷見の温泉群の中で一番北側に湧出した大きな公共の宿。駐車場にここに湧出したという記念碑的な源泉がある。総計1374mgの清澄な食塩泉である。内湯のみの施設で湯を少量足しながら強力に循環している。湯量が少ないのか?余りに少なすぎる。しかし源泉に触わることが出来るのは良いことである。また浴場入口には飲泉場もある。源泉は透明、少塩重曹味、少金気臭であった。重曹分も12%含有されておりつるつるの感触があり好感した。
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