温泉/九州の温泉

妙見と金湯、銀湯、栗野岳温泉 霧島と人吉周辺の温泉2

新川温泉郷の中心、妙見温泉から霧島の大温熱集中地域に向けて行く、野湯や名宿もレポートする。吉田温泉まで行く。

執筆者:郡司 勇




10妙見温泉  石原荘  
 湯の使い方最良。全く大気に触れずに源泉から湯口に持ってきている。
 まさに源泉直掛け流し。毎分300リットルに絞っているが
 熱交換で温度を下げている。高温ながら炭酸清涼感あり、
石原荘は妙見温泉で雅叙園と並ぶ高級宿である。渓谷に沿った庭園に配置された宿と露天風呂の風情が良い。内湯を挟んで上下に2ヶ所露天風呂があるが、渓流は水量の多い川で間近に見える水の流れと岩刳り抜きの露天風呂の取り合わせが良くたいへん美しい景観である。小さな川のように流入する源泉掛け流しである。またアプローチも風情があり1級の温泉宿として各雑誌類で紹介されているのが肯ける。内湯は多量の掛け流しで壁面全体が大きなレリーフで落ち着いた雰囲気が良い。さて湯は高温の重炭酸土類泉で透明、炭酸味、少金気臭である。源泉を配管のままで熱交換し適温にしてそれぞれの湯口まで持ってきている。そのため高温ながら炭酸の味覚とやや熱く感じる体感が残っており素晴らしい使い方であると思った。

11和気湯  川原湧出地点 
和気湯の隣の川は温泉が湧出しており湧出時の泡が立ち昇っている。手をいれると適温
である。和気湯の前に入浴してみた。炭酸分の多い重炭酸土類泉であろう。透明、炭酸味+エグ味、少スエ臭であった。入浴していると足元自噴の気泡が身体をくすぐりまた新鮮な炭酸分による清涼感もありなかなか良い入浴となった。日頃入浴する人がいるのであろうか深さも座れば胸まで入るもので底を掘ってあると思われた。

12和気湯  石組露天風呂(再訪) 
 整備されていてびっくり。
前回訪問したときの和気湯はまさに野湯で、石組の浴槽のみが川中に放置されているといった状況であり、湯も重炭酸土類泉特有のオレンジ色析出物で埋まっていたが、今回訪れてみると周囲はコンクリートで固められ、目隠しの塀が整備され観光地の立派な露天風呂として整備されていた。湯は足元自噴の重炭酸土類泉で石の浴槽の隙間からゆくっりと湧出していた。透明な清澄な湯でややヌル目ながら炭酸を感じるもので、すぐ横の川原に湧出しているものと同系である。透明、炭酸味+エグ味、少スエ臭と記録した。

13犬飼共同湯  
和気湯と横瀬温泉のほぼ中間に位置する温泉。ブロックとスレートで造られたやや鄙びた共同湯である。総計1995mgの重炭酸土類泉でMgNaCa-HCO3,Cl泉である。エアリフトポンプの音が鳴り響き湯が入れられている。透明、少エグ味、無臭であった。重炭酸土類泉としてはやや薄く、鉄分の金気臭や炭酸などの副次的成分が感じられず清澄なもの。しかし生活に密着した共同湯という存在と鄙びた外観は素敵であった。和気湯と同点の評価とした。
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