温泉/東海の温泉

中伊豆の名湯たち 修善寺、伊豆長岡、湯ヶ島1

伊豆の中通りは狩野川に沿って名湯が続き素晴らしい地域です。修善寺、伊豆長岡、湯ヶ島などの温泉を紹介します。

執筆者:郡司 勇


1伊豆長岡温泉
 南共同湯、北共同湯、南山荘、三養荘  
長岡は大きな温泉地で源氏山を中心に西側の長岡
地区と、東側の古奈地区とに分かれる。長岡地区
では源氏山の斜面に離れの部屋を配した南山荘が
素晴らしい。 美しく植え込まれた庭は各戸がレベ
ル差によって独立したような趣で良い宿だと
思う。また昔ながらの共同湯もある。南共同湯は
古びた共同湯で別府などに多い楕円形のタイル浴槽
で情緒を醸しだしている、また改修されたが北共同
湯もある。この温泉の白眉は古奈地区にある超高級
旅館の三養荘であろう、ここも離れの宿で旧館と新
館があるが和風数奇屋の究極の造り込みで素晴らし
いものである。

2修善寺温泉 新井旅館
全国には素晴らしい温泉宿の建築がある。
木造3階4階の構造で手摺や欄間や窓などに
美しい意匠をしつらえた凝った造りの宿があり
素晴らしい。日本旅館の「おもてなし」と一体
になって伝統の文化だと思っている。新井旅館
は全館に渡って国指定文化財の指定を受けて
いる。入口の「青州楼」の明治14年築から
始まり、「渡りの橋」が明治32年、そして泊
まった「霞の棟」が明治41年のものである。
「天平風呂」が一番新しく昭和九年である。
風格のある雰囲気で素晴らしい温泉宿である。
湯は家族風呂の名湯「琵琶湖風呂」の横から
湧いているが。そのまま集中管理へ行っている
のは残念である。源泉のすぐ横で入浴してみ
たいものだ。源泉が新鮮なためごくわずかだが
硫黄を感じられ修善寺ではほかで感じられなか
ったので認識を新たにした。
また地元専用であるが神戸湯、源氏湯、南町湯、
真町湯という共同湯があり鄙びた風情を残して
いる。地元の人同行で鍵を空けてもらい入浴は
不可であるが見学のみでも楽しかった。

3スパラシオ大平
西欧風日帰り温泉施設。大きな露天風呂と
回遊風呂があり子供は大喜びであった。
 53度の単純泉、透明、微苦味、
少カルキ臭。湯ヶ島に近づくとNa-SO4
(芒硝)系の湯になっていく特有の苦味と
匂いが出てきている。ここもその1つの
である。

4天城にっかつ温泉
49度 単純泉 透明、無味、無臭 山々を
見渡す内湯。
クラブハウスの湯とホテルの湯がある。

5月が瀬温泉
 単純泉(Ca-SO4系)透明、少苦味、無臭。
掛け流し、総計693ながら
良く個性が出ている。良い湯である。
3本の源泉があるとのこと。静かな宿で好感
する。

6奥湯ヶ島温泉 いづみ園
NaCa―SO4泉 51.1度 透明、少苦味、
少石膏臭。総計1336 
ここに至ると完全に芒硝石膏泉となる。
湯ヶ島の温泉はこの芒硝と石膏の比率の
違いで含蓄のある湯で繊細なものである。

7湯が島温泉   世古の大湯  
山深い湯ヶ島温泉周辺は温泉ファン垂涎の
地域である。吉奈、月ヶ瀬、嵯峨沢、白岩など
の温泉地が続き、山を越えれば湯が野、大滝、
七滝などの温泉群もありゆっくりと廻りたい
ところだ。湯ヶ島や堂ヶ島は伊豆の中でも硫酸塩泉
であり、わずかな薬味と焦げ臭が特徴であるもので
清澄な湯である。芒硝泉が主であるがカルシウムの
多い石膏系やマグネシウムの多い正苦味系もあり
微妙な感触を楽しみたい。湯ヶ島は河鹿の湯と
世古の大湯という共同湯があり世古の大湯は渓流の
岩壁にへばりつくように建つ共同湯で使い込まれ
た鄙びた風情が良い。石膏系の感触も強くなって
いる。CaNa-SO4泉の50.6度ではっきりとした
石膏味である。渓谷沿いでロケーションは良い。
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