足元湧出源泉浴槽というのは源泉の位置と湧出量、温度などが非常にうまいバランスで存在しその源泉に直接入れるという奇跡的な良い状態の温泉でこれ以上のものは考えられません。

その足元湧出温泉を廻ろうと塩原と南福島へ行きました。すべて再訪でしたが長い間行ってなかったので、未湯のように興奮しました。記憶も薄くなっていて、再発見もあり、「再訪もまた可なり」といった感じです。

まず塩原の新湯です。硫黄臭のする噴火口のような斜面が国道脇に現れ温泉の雰囲気が急に強まります。

1.塩原あらゆ温泉  寺の湯
木の浴槽に白い湯と、硫黄臭で視覚的にも嗅覚的にも存在感が大きい。

むじなの湯と、中の湯、と寺の湯全て泉質が違うがここが濃い、74.3度 ペーハー2.2 Na37 K11.3 Ca79.2 Mg22.2 Al 102.4 HSo4 251 So4 1180 H2S 55.6 残留物2173 成分総計 2099である。酸性硫化水素土類明礬泉です。

残留物と成分総計が逆のような気がしますが硫黄分の沈殿は成分には含まれないためであると思われる。

2.塩原あらゆ温泉 むじなの湯
たくさんの人でにぎわっている共同湯。ここは足元湧出源泉浴槽の貴重な温泉が共同湯になっているという素晴らしい存在である。

浴槽の奥側は洞窟状になっており、中は湯気によるサウナ的になっていて良い。以前は剥き出しであった岩が板の壁で隠されていて、昔のむき出しのほうが野趣に富んでいて良かった記憶である。

59.2度 ペーハー2.4 Na40.8 K11.8 Ca79.1Mg31.4 Al 90.0 HSo4 136 So4 1016 H2S 36.3残留物1792 成分総計 1797 ここも硫化水素土類明礬泉です。なお中の湯は含硫化水素単純泉です。

3.塩原元湯温泉 大出館
墨湯に入る、数えてみると14年ぶり、裏の露天風呂がなくなっていたが宿の感じは昔のまま。混浴の墨湯は成分的には他の緑白濁の湯と同系だが泥を引っ張るといった観察。食塩重曹泉。宿のパンフレットの炭酸泉は誤り。成分表を探してもらいやっと対面できた。

40.6度 Na536 Ca 92.0 Mg14.7 Cl 677.0 HCo3 525.0 HSイオン4.9 で重曹食塩泉である。ここの墨湯は泥湯と言っても良いです、底に3センチほど泥が溜まっていて桶に掬い取り塗ることもできます。

4.木賊温泉 井筒屋
単純硫黄泉 49.4度 井筒屋の内湯は素晴らしい貴重な足元湧出源泉浴槽である。コンクリートで固めた底に孔があり、そこから源泉が湧出しています。新鮮なので硫化水素臭はしっかりとありました。

前の川原に湯が湧いていて、砂を掘った穴が2個あり入ってみると、ぬるいのでこちらも入りました。

5.二股温泉 大丸あすなろ荘
石膏泉 58から68度、12本の源泉を所有している。圧巻は岩の割れ目から湧き出す内湯。少々熱いがしっかりとした流れを感じる。

宿が大変貌していて、高級宿のようになっていてびっくりした、足元湧き出しの浴室もピラミッド型から瀟洒な共同湯風の湯小屋になっていて好感した。

6.土湯温泉 木村屋
含硫化水素食塩重曹泉 63度 地下に自噴風呂がある。本当は足元の深いところで湧いているが、一度横の穴に湧き出させ、それを湯船の横の小さい湯溜りに流してから浴槽に入れているので、横湧き出しとなっている。

妙な色で、よく観察するとますます不思議な色であるとわかり、これは真珠色ではないか?と思った。この話しをおかみさんにすると、大喜びで看板に真珠色の湯と掲げようかななどとおっしゃっていた。色が微妙に変わるので、前にNHKで取材にきて一週間写真を撮り続けたこともあったとのこと。

部屋は私好みの凝った意匠の和室、三朝の木屋旅館に通じるよさがあった。一番よい3、4階の角部屋で1万2千円でその他は1万円とのこと。次回は泊りに
来たいと思った。(2001年現在 休業中)

7.微温湯 旅館二階堂
酸性明礬緑礬泉 31.8度 ペーハー2.9 掛け流し
炭酸泡多し、久しぶりに渋柿のような明礬味を感じる。特有の甘い明礬臭(別府で売っている明礬湯の華より薄いが)も堪能する。ヌル湯なので約1時間の入浴をした。

手前側の棟が茅葺から瓦に変わっていた。
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