温泉/関西の温泉

硫黄臭とつるつる 十津川上湯温泉

奈良県の最奥部、十津川村に涌く温泉で上湯温泉といいます。弱い硫黄とつるつるの浴感で良いものです。

執筆者:郡司 勇


1十津川上湯  神湯荘(再訪)  

 自炊が出来る湯治場が年々減少していく現在、ここ十津川上湯温泉の神湯荘は最近になって自炊専用棟を作ったというのは、嬉しい話です。それも関西地方ではたいへん珍しいと思っています。十津川村は恐らく日本有数のアプローチに時間のかかる村ではないでしょうか、奈良県の南端で五條からも和歌山県の新宮からも距離があります。ここ十津川村には上湯、下湯、平谷(わらび尾)、湯泉地などの温泉地があり温泉には恵まれています。屈曲した細い道を延々とたどり着いた先にあるここ神湯荘はまさに湯と対峙して湯治するのみで、湯以外には大自然しかありません。温泉は67.5度という高温の純重曹泉でとろみもある良質なものです。また硫黄分も規定の1.5倍の1.56mg含有されているので、透明ですが、弱い硫黄泉特有の白い綿のような湯の華が多量に沈殿しており、入浴すると湯中に舞い上がり温泉らしさを引きたてます。味覚は重曹薬味が主ですが弱いたまご味も感知できます。嗅覚においては甘い硫黄臭がやや多めです。湯量豊富なため4つの露天風呂と内湯も男女別に(2ヶ所)?あり景観や造りの違いもいろいろ楽しめます。硫黄の匂いと、とろみによる体感と湯の華の三種類の知覚的特徴によって温泉として素晴らしい印象を残してくれます。平地の少ない土地にへばりつくように宿が建築され見えるものは森林のみです。気候の良い紀伊半島の山深くにある温泉はすべてを忘れさせてくれそうです。都会の生活に疲れた人が何日かここに来て静養すればリフレッシュ出きること間違いありません。
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