地図と最低限の情報を持って出発!
松本電鉄新島々駅の先に残る線路跡。水害によって廃止されたが、旧島々駅は観光案内所として移築保存されている |
現地に案内が出ているものじゃないから、出かける前には情報を仕入れておくことが必要。廃線めぐりを紹介しているサイトは多いから、まずは出かけるエリアの廃線を探してみよう。マップ付きなら最高。そうでなくても、駅などポイントになる場所が紹介されていればここからチェックすればいい。ドライブマップで廃線あとが記入されているものもある。
マニアでない限り、あんまり徹底的に下調べしてしまうと見つける楽しみがなくなるから、大ざっぱな程度でもいい。で、まずは現在の詳しい地図を見て、あたりを付けてみよう。駅がなくなっていても、同じ集落名があれば、まず見当はつくし、現在も生きている線路の駅から分岐を探してみるのも面白い。あとは現地で線路の名残りを探索しつつ移動するだけ。ここで見つけやすいポイントを書いておこう。
旧筑波鉄道筑波線・小田駅。サイクリングロードの横にホームが残る。整備されすぎた筑波駅よりも味わいがあってよろしい |
●駅
大きな駅になると、敷地がそのままバスターミナルになっていて、駅舎が事務所として利用されていたり、駅前商店だけが残っていたりする。当時のにぎわいを想像してみよう。もっとも、ローカル線の無人駅では、ホームが撤去されると見つけるのが難しい。市街地ではビルが建っていたり、公園化されて跡形もない場合もある。
●カーブ
線路跡が道路となっている場合、他の道よりもゆるやかにカーブしながら伸びているもの。家並みもその曲線に沿って建っている。都市近郊ではこれが長い緑道に変わっている場合もある。ただし古い廃線跡だと、区画整理で完全に痕跡が消滅していたりする。
●土手
鉄道用語で言えば築堤。郊外の田んぼの中などを走っている線路は、一段高く土が盛られて、その上を鉄道が走っているところが多い。農道と紛らわしいけれど、起伏が少なくひたすら長く伸びているので見分けられる。クルマで走れる所なんか、眺めもよくって最高。
●トンネル
東武矢板線・柄堀トンネル。かつては通行可能で、心霊スポット的な人気があったが、崩落の危険があり閉鎖。右に切り通しができている |
遺構としては一番見つけやすい。たいていはふさがれているけれど、中にはそのまま道路として流用されている場合もある。
●橋
鉄道橋の橋脚や橋げたを生かして上を舗装してあったり、川の中に橋脚だけが残されていたりする。古い廃線跡でも、川沿いの橋台などはよく残っていて比較的見つけやすい。
安全第一、深入りは避けよう
廃線跡の一部は私有地になって、立入が禁止されている場所もある。また、道になっていてもクルマが進入できないほど細くなっていたり、年月と共に崩れていたりする。明白に車道になっていないところへ、クルマで深入りしないように。
また、クルマを降りて歩いてみるときは、トンネルや橋に注意。橋げたが残っている場合でも、腐食して危険な場所があるからだ。痕跡探しも楽しいけれど、ドライブついでと考えるなら、緩やかなカーブの道や土盛りに昔の風景を想像しつつ走るほうがおすすめ。