打ち上げ貝を勉強するなら葉山へ
旧別邸の車寄せを保存した葉山しおさい博物館。深海生物の展示もある。 |
朝から都内を出たなら、まだまだ時間はいっぱいあるはず。三浦半島の西海岸を海沿いにドライブしていこう。林のロータリーを過ぎ、立石あたりから相模湾の眺めが広がってくる。長者ヶ崎を回り込んで下っていけば、葉山御用邸前。ここから直進して県道207号に入るとすぐ、葉山しおさい公園がある。ここは御用邸の付属邸跡地。茶室や日本庭園、休憩施設などがあるほか、敷地内の葉山しおさい博物館は、海岸の漂着物を集めていて、打ち上げ貝について知りたいと思う人にはぜひおすすめ。先に連絡しておけば、忙しくないときなら拾った貝の名前も親切に教えてくれるはずだ。また、相模湾の貝類を始めとした磯の生物のハンドブックも販売している。
早春の三浦は週末になるとそれなりに道が混むけれど、帰りを急がないなら、夕陽が見えるカフェやレストランに寄って帰ろう。相模湾越しに、シルエットとなった富士山が夕景の中に浮かび上がっているだろう。
■三浦半島へ行こう!
三浦半島周辺の総合情報サイト。夕陽の見えるカフェやレストランを探すなら、「おいしい三浦半島」の「地図からお店探し」が便利。
ビーチコーミングにおすすめのスポットガイド
ドライブのついでにちょっと貝拾いを楽しむという程度にしたって、やっぱり収穫は多い方がいいでしょ。そこで、僕が知ってる貝拾いにおすすめの海岸を紹介しておこう。ちなみに、どこへ行くにしても、タイミングは海が荒れた日の翌日がおすすめ。気象庁の「沿岸の波浪図」などで確認してみよう。荒れた日の翌日は、割れたりすり減ったりしていない新鮮な貝殻が拾えるからだ。ただし、たまに中身が残っていたり、巻貝などはヤドカリが入っていることもある。こういうのをそのまま持ち帰って放っておくとものすごく臭くなるので、空き家になってるのを確認すること。また、大潮の干潮に合わせて行くほうがいいことは確かだけど、満潮でもそれなりに収穫はあるので潮干狩りほど気にすることはない。
■由比ヶ浜・材木座海岸(神奈川県鎌倉市)
古くから知られた貝の産地で、荒れた日の翌日はかなり珍しいものも見つかるらしい。もっとも、マニアでない限りは、淡いピンク色のサクラガイが一番(正確に言えば一番多いのはカバザクラ)。多いときには手のひらいっぱいに拾える。また、材木座の和賀江島は鎌倉時代の港の遺跡で、古い陶器の破片や、時には馬の歯なんかが見つかることも。由比ヶ浜に地下駐車場がある。
■御前崎海岸(静岡県御前崎市)
日本平へのイチゴ狩りのついでに御前崎へ足を延ばすのもいい。 |
駿河湾をはさんで伊豆半島の南端、石廊崎とほぼ同じ緯度にあり、ウミガメの産卵地としても知られている場所。灯台下の浜で数多くの貝が拾える。ここから西へ太平洋を望むシーサイトドライブもおすすめ。
■南房総一帯(千葉県館山市ほか)
房総半島の南端、館山市から白浜町(2006年3月20日からは南房総市)にかけての海岸は黒潮の影響が強く、タカラガイを始めとする南方性の貝類の宝庫。造礁性サンゴの北限でもあり、サンゴのかけらも拾える。東京湾アクアラインを使えば都内からも日帰りは楽勝。一足先に春を満喫する花狩りドライブのお土産は海岸で。
■増穂浦(石川県志賀町)
実は僕自身は訪れたことがないのだけれど、こちらも昔から貝拾いの浜として知られている。特に冬の嵐のあとは、ピンク色の帯になるほどのサクラガイが打ち上げられることがあるという。
■潮岬・串本周辺(和歌山県串本町)
潮岬は本州最南端。奥に見えるのは海中公園。 |
紀伊半島南部の海岸はどこもサンゴのかけらでいっぱい。コレクターの多いタカラガイの仲間も、関東地方とは比べものにならないほどの量と種類がある。阪和自動車道がみなべICまで延びたため、大阪圏からは日帰りも可能。