それよりも評価したいのは、小さいゆえの大いなるメリット。縦列駐車なんてちょっとしたスペースがあれば簡単にできるし、ひょいとUターンするときも切り返さずにくるくると回って方向転換ができる。この楽さは何者にも代え難い。ゲタ車の真骨頂といったところだろう。
運転席は十分なスペースがあるものの、荷物スペースはほとんどないといっていい。特にハイブリッドカー・バージョンは、ただでさえ小さなトランクスペースにバッテリーが置かれているので、荷物を置きたいという希望は捨てた方がいいだろう。荷物は助手席。もしくは、助手席のシートバックを前に倒すとフラットなスペースができあがり、ちょっとした大物を置くことができる。が、あくまでも「ひとりでちょこっと動く」クルマであることを肝に銘じておきたいものである。
軽くシンプルに作ってあるがゆえに、国土交通省審査値はガソリン車のMTでリッターあたり26?、ATでも22?という数字が出ている。ハイブリッドにあたっては34?という超低燃費である。ハイブリッドはモーターがアシストする以上に、信号待ちなどでアイドリングがストップする機能を取り入れているため、燃費がいいのだ(ただしウィンカー使用時はアイドリングストップは作動しない。これは交差点の右折時などで「エンジンが再始動しなかったら?」という不安を起こさせないため)。
トランクスペースの広さはともかく、では、ハイブリッドの方がお得なのかといえばそうでもない。問題は価格。同じATで比較すると、ガソリン車84万円に対し、ハイブリッド134万円と、50万円も差があるのだ。さらには「コストとリサイクル性のよさから選んだ」とされるハイブリッド用の鉛バッテリーは(プリウスなどはニッケル水素バッテリーを使用)耐久年数が3年しかないため車検ごとの交換が必要になる。しかもなぜか発売も開始されている今現在、交換バッテリーの価格が決まっていない(!)というオマケつき。そんな買ったあとに価格を決められて「いくらです」と法外な値段(にはならないと思うけれど)を突きつけられても困るというものである。こう考えていくと、燃費はよくてもこのハイブリッドを選ぶにはちょっとした覚悟が必要になってくる。
小さなゲタ車のツイン。お勧めはやっぱりゲタに徹してガソリン車。MTでやす~くエアコンもつけずに走るってのも案外、楽しいかもしれない。
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