台湾の水果(フルーツ)<後編>
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■□■□グアバ(芭樂(バンジロウ):バーラー;Psidium Guajava)□■□■
黄緑色の皮で中は乳白色の果実。皮がでこぼこしています。皮を良く洗ってカットし、種を取り除いて皮ごとたべるのが台湾ではポピュラー。ちょっとだけ渋みがあって、シャックシャックこりこり、ほんのり甘くて暑い時に食べたくなります。
彰化縣や南投縣などが主な産地。昔からある品種を「土芭樂」といって、タイなどからの輸入品と区別しています。また、水晶芭樂、珍珠芭樂、紅心芭樂など改良された品種がどんどん登場。ただし、最近は過剰生産のあまり腐らせて破棄しているようなことも伝わってきます。
■□■□ドラゴンフルーツ(火龍果:フオロングオ;Dragon Fruit ;Hylocereus undatus)□■□■
濃いピンク色の皮がひときわ目立つドラゴンフルーツ。ホヤに似ていると思う人もいるかもしれません。
果肉は黒い小さな種が散らばった白い果肉のものを「火龍果」といい、赤い皮に深紅の果肉のものを「巨龍果」、黄色っぽい皮に白い果肉のものを「ピタヤ」、他にもいろいろな品種があります。台湾でよく見かけるのは皮が濃いピンクで果肉が白い火龍果、外観は楕円な感じです(深紅の果肉のものは、もっと丸々した形)。細長いサボテンのようにとげのはえた葉の先に花を咲かせてから実ります。新竹、宜蘭など、いろんな場所で収穫可能です。
口にいれると噛まずにつぶせるくらい柔らかく、黒い種がキウイの食感を想像させます。少しだけ生臭い感じがあります。甘さは控えめ、濃厚な甘さではなくて遠くで甘い感じ、慣れないと生臭さを強く感じるかもしれません。
■□■□レイシ(茘枝:リージー;ライチ;litchi;Litchi chinensis)□■□■
楊貴妃の好物だったというのはあまりにも有名ですね。レイシともライチとも日本では言われています。直径3cmほどの実、茶色っぽい皮に覆われており、その中の半透明な果肉を食べます。ジューシーなレイシは、皮からちゅるっと果肉がはずれます。レイシの香りは独特、甘みものどの奥に残るような甘さで、旬(台湾だと4月頃~6月頃)になると街のいたるところで売られています。台湾では、高雄縣、南投縣、彰化縣、台中縣、屏東縣で主に生産されています。玉荷包、黒葉、竹葉黒などの品種がありますが
種のまわりの果肉、食べるところは少ないからこそ、つい手がのびてしまいます。ただし、レイシは「上火」といって食べ過ぎると体内に熱をためてしまう食べ物なので、食べ過ぎるとのぼせたり(鼻血が出ることもあり)口内炎などの症状が出たりします。
さて、魅惑の味、レイシ、杜牧の七言絶句「過華清宮」に登場しているのは有名ですね。唐玄宗が楊貴妃のために長安から馬で新鮮なレイシを運ばせていることが詠まれています。
山頂千門次第開。
一騎紅塵妃子笑、
無人知是茘枝來。
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