台湾の地方にはさまざまな美食がある。今回は、台湾南部の町、萬巒名産のトンソクを紹介。韓国料理でよくみかける、蹄がついたままの、蒸された白っぽいトンソクとはまるで違うのが萬巒のトンソク。飴色に煮付けられたブリンブリンのトンソクなのだ。

トンソクで有名な町、萬巒

民和路沿いに並ぶトンソクの店
台湾の南部、屏東縣の萬巒。この町の名前を聞くと、台湾の人は「猪脚!」と答えるほど、トンソクが名物料理となっている(猪脚とは、トンソクのこと)。萬巒の町に入ると、あちこちに「猪脚」の看板を見かけるが、中でも民和路にある「海鴻猪脚(飯店)」が元祖と言われていて、1949年に林海鴻さんがトンソクを売り始めたとか。
もともと、トンソクを食べる習慣のあった台湾だが、そのスタイルは、骨付きの固まりを単に甘辛く煮込んだもの。今でもこのスタイルのトンソクが一般的。一般的な台湾のトンソクを食べると、唇がねっとりモッチャリするし、かなり脂っこい。骨付きだから手も油でべたべたに。しかし前出の林海鴻さん、当時、潮州の料理人が作った紅焼猪脚に出会い、そこから自分なりの味付けを研究して、独特のトンソクを作り始めたそうだ。林さんの作るトンソクはちょっと違う、萬巒においしいトンソクがあるぞ、ということで次第に有名になったのだ。
たしかに、食べてみてわかるが、脂身がほどよくてそんなに油っこくないし、骨も少ないから食べやすい。こってり感が少ない分、どんどん口に入る気がする。もちろん、唇もねっとりモッチャリくっつかないし、お箸でつまめるから手もさほど汚れない。

 ←海鴻猪脚(飯店)の店先

<<海鴻飯店で聞いてみた、おいしさの秘訣>>
  • ブタの前脚を使う:前脚は、赤身の肉が多く、骨も少ない(後脚は脂身が多くて骨も多い)
  • 下処理を丁寧に:蹄の固い部分をとり、ブタの毛をバーナーで焼き、大鍋の中でしばらく湯がいたらすぐに冷水に取り出す。冷めたら残った毛をとったり固い部分をそいだりしてこすり洗いする。この下処理をしてから煮込む
  • 秘伝のタレで煮込む(これは教えてもらえず)

    いざ、トンソクを注文

    金だらいの中で注文されるのを待っているトンソク
    道に面した店先を見ると、金だらいに山盛りのトンソク! 注文のシステムは量り売り。1斤(約600g)が最低単位で、145元。以降、こまかく1斤1両、1斤2両…と価格が決まっている(16両=1斤)。店先にある価格表で確認を。ちなみに、2斤は290元、3斤は435元、5斤は725元。(*価格は、2004年5月の価格。多少の変動もあり)

     ←価格表、みえるかな?

    また、ツウになると煮込みが終わる出来あがり時間を見計らって、できたてのアツアツを食べにくる。毎日9:00、13:00、18:00頃だそうで、混雑する日は回数を増やす。
    金だらいの中から、好みの大きさを選んで量ってもらい、その大きさで納得したらエプロン姿で大きな包丁を持った人に切ってもらう。ターン! ターン!と大きな音に混じって、グギッと鈍い音も。その迫力をまずは見て楽しもう。



    「毎日、トンソクを切っていて、腱鞘炎にならないのか」と聞くと、「コツがあるから大丈夫。それより、毎日トンソク食べれば元気元気」って答えが。切っている店員たちの肌をみてなんだか納得。ぷるっとしてつややかじゃないの! コラーゲンのおかげなのかな。

    食べるのは店内(カットしてもらって持ち帰りもOK)。店内では、トンソク以外の料理をメニューから注文できる。では、食べてみよう(次ページに続く)。