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こんな忙しない時代だから、彼女の声を聞こう 日本でデビュー 台湾の梁立さん

台湾うまれの梁立(リャン・リー)さんは、これまで台湾の芸能で活躍してきた女性。今年2月22日、日本で1stアルバムをリリースしてデビュー。そんな彼女の魅力に近づいてみました。

執筆者:阿多 静香

  2002年2月22日、日本で1stアルバムをリリースした梁立さんの歌、「人魚」のプロモーションビデオの映像に引き込まれて見入っていた呼ばれてふと現実に戻ると、リアルな梁立さんが横に立っていた。映像から抜け出てきたのかと思うほど、透明感のある存在だ。

梁立さん。ピカソの絵に出てきそうなほどの瞳。台北生まれの彼女は、今年28歳。これまでは台湾を中心に時代劇や連続ドラマに出演する女優、そして歌手でもあったが、今年、日本での歌手デビューを果たした。

なぜ日本でデビューなのか、その鍵は彼女のおばあさまにあるようだ。梁立さんは、流暢な日本語を話す。彼女のおばあさまが、日本統治時代に覚えた日本語を操る聡明な方で、梁立さんは子供時代にすでにいろんな日本の唱歌を歌えたそうだ。よく歌ってくれたのが「あめふり(北原白秋作詞、中山晋平作曲)」。おばあさまに叱られる時も日本語。そんな環境で育ったことが、日本を留学先に選んだ一番の理由。高校時代を南アフリカの学校で過ごしたものの、それから日本で大学生、大学院生生活を送っている。

大学生の時、台湾の有名な映画監督、エドワード・ヤンが日本の京都を訪れた際に通訳として手伝った。このとき、映画監督の林海象氏にスカウトされ、1994年林監督の映画「海ほうずき」に出演、これが日本での女優デビューのきっかけとなる(芸歴参照)。

ちなみに、冒頭の「人魚」のプロモーションビデオは林監督が撮影している。京都、奈良を舞台に、どこか切なさの漂う映像だ。この後、学校へ通う傍ら、劇団に入って、ボイストレーニングを重ね、自分を表現する練習を積んだ。

そもそも梁立さん、子供のときから、声を出して自分を表現することが大好きで、小学校の朗読大会に出場しては、台湾内でもトップの成績をおさめるほどの表現上手。そんな彼女が大人になった今、歌手として表現しようとしているものは、自分の心そのもの。彼女は、表現方法として、詩を書くこと、声をだして歌うことを選択した。

自分の「詩の世界」を大切にし、また、これを理解してくれる人々も大切にしていきたい」と語る彼女、その表現の手段として北京語を使っている。もちろん、台湾語や日本語、英語も流暢に話せるのだが、感情をストレートに表現できる言葉としては北京語が最適とのこと。だから、日本でCDをリリースしても歌詞は北京語のまま。「私の”世界”を聞いて、少しでもリラックスしてもらえると嬉しい。聞く人を心地よくするのが、私の声の特徴でもあるんです」と、その笑顔だけでも人をくつろがせる魅力がある。

 

梁立(リャン・リー Ryan Rie)

台湾・台北生まれ。
2002年2月22日、日本でのデビューアルバム「FREEDOM AND SOLITUDE」をリリース。プロフィール、芸歴の詳細はこちら。
今後の活動予定はこちら。

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