今年2001年の端午節は6月25日。旧暦の5月5日です。端午節と言えばドラゴンボートと粽。その由来をお話ししましょう。端午節の由来は、楚の詩人・屈原(くつげん)に由来しています。

屈原は中国歴史上でも第一の詩人とも言われ、当時楚と他国が団結して秦に抵抗しようではないかとも唱えていた人物でした。しかし楚の王は彼の忠言を聞かず、ついには楚から追放してしまったのです。その後も運に見放されたような愛国心旺盛な屈原は、憂国のあまりついには泪羅(べきら)江(河)に身を投じてしまいました。このことを聞いた楚の人々は、河に駆け集まり舟を出して屈原の身を探しました。その時、敬愛する屈原の体が魚や蝦蟹に食べられないように粽(ちまき)を河に投げ入れもしました(一説には、屈原の魂を鎮めるために粽を河に投げた、というのもあります)。屈原が河に身を投じたこの日が、旧暦の5月5日だったのです。

それが変化して、現在のドラゴンボートレースと粽の習慣になりました。この他の習慣もあります。軒先きに菖蒲や艾を吊るしたり、雄黄酒(雄黄=鶏冠石の粉末と蒲の根を刻んで焼酎に入れたもの)を飲んだり、子供が香包(におい袋)を首にかけたり。魔よけの意味もありますが、これから始まる猛暑を乗り切るための意味もあります。それから、台湾ではこんな習慣もあります。生卵をたてて1年の幸運を祈ります。田舎の鉄道の線路を使って、多くの人々がその上に生卵を立てていく行事もあるんです。

 香包:最近はキャラクターものが登場

さて、台湾では、毎年端午節に龍舟比賽(ドラゴンボートレース)が各地で行われます。台北縣の翡翠湾、高雄の愛河、基隆の碧砂漁港、新竹市の南寮漁港、台南市の台南運河など。台北市では基隆河(大佳公園)において、23日から25日にわたっての開催です。

台湾内だけでなく海外からの参加も合わせて100チームあまりが集まった台北の基隆河。台北国際龍舟比賽(台北インターナショナルドラゴンボートレース)だけあって、カナダやフィリピン、ハワイからの参加(日本チームは棄権)や、台北にある大学の中国語センターに通う外国人チームも毎年恒例です。もちろん、台湾企業のサラリーマンや公務員、学生、先住民のチームも参加します。

舟には、左右それぞれに9人づつ座り、先頭に太鼓をたたく人と旗手の2名、最後部に舵とり1名、総勢21名が乗ります。舟は細長く底が浅いため、水が入ってきたり転覆したり。汚染された河の水で下痢をすることもしばしばとか。命がけのレースです。このタイムレースに勝つために、2ヵ月も前から早朝練習を始めるチームもいるほど。老いも若きも勝利に向けて、毎朝の厳しい練習をこなしています。


台北師範大学國語教學中心(中国語センター) チーム、出番待ち。


そんなに練習を積んでも、どうしても勝てないチームが先住民のチーム。特に蘭嶼島に住む海の民族「雅美(ヤミ)族」のチームや、戦闘能力に長けた「 阿美(アミ)族」のチーム。団結力や体力だけでなく、潜在的に眠っている闘争心の賜物だと聞きます。だんとつに早いし、漕ぐのも揃っていて筋肉も隆々でカッコイイんです。どうだ! って感じです。



観戦を終え、家に戻ると大家さんから粽の差し入れが。端午節には家庭で粽を作るのがまだまだ習慣として残っています。もちろん売ってもいますが、それぞれの家で伝統の味を守りながら、子供たちに伝えていくのも楽しいとか。

本当にいろんな人からもらいます。夫の会社の同僚、近所のおばさん、友達のお母さん。そして、それぞれの味付けや具が違って、なかなかおもしろいです。冷凍庫が満杯になり、毎日食べても終わりません。うれしい悲鳴をあげます。それから、端午節前日の夜、都合が悪いと「ああ、家で粽を包むのね」とジョークをいつも言われます。本当に粽を包めるようになるにはまだまだ時間がかかりますが。

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