文章:吉田 摩弥(All About「ロンドンで暮らす」旧ガイド)

Big Ben
ロンドンは、日本人にとって暮らしやすい都市。初めての海外生活でも安心
海外旅行が手軽になり、外国は随分身近になりました。そして、一度は海外で暮らしてみたい……そう考えたことのある方も、たくさんいらっしゃると思います。

「留学する」、「現地で就職する」、「駐在員として滞在する」など、きっかけはさまざまですが、外務省の統計によれば、ロンドンに3ヶ月以上滞在している日本人は3万人以上。3ヶ月以下の短期滞在者も含めると、6万人あまりの日本人が生活していると言われています。日系企業の事業規模縮小から駐在員の数は一時に比べて減っていますが、政府の留学生招致政策とワーキング・ホリデー制度の導入で、留学生の数は増加しているようです。

現在のインフレ率と為替相場では、ロンドンの物価は東京の1.5倍から2倍の感覚。決して生活費が安い都市ではありません。それでもロンドンに暮らす日本人がこれほど多いのは何故でしょうか?

暮らしやすい街、ロンドン

ヨーロッパに限って言えば、ロンドンは初めての海外生活をする日本人にとっては、最も生活しやすい都市のひとつと言えるでしょう。

その理由としては、まず第一に、医療機関、学校、食材店などの日系コミュニティーがしっかり根付いていることがあげられます。ほとんど英語を話せなくても、その気になれば、ほぼ日本語環境で生活できてしまうほどです。

日常的な関わり方の度合いは人それぞれですが、いざという時に日系コミュニティーがあるというのは、何かと不安な海外生活にあっては大きな心の支えになりますね。

多様な民族・文化を受け入れる懐の広さ

Regent Street
多様な人々が行き交うロンドンの街
第二には、ロンドンに住む人種の多様性があげられます。

古くから多くの移住者を受け入れてきたロンドンには、インド系、ジャマイカ系、中華系など多様な文化が混在しています。旧植民地からの移住者の多くはすでに2世、3世となり、イギリス国民としてしっかり根を下ろしています。イギリスの伝統文化だけでなく、こうしたエスニック文化に触れられるのはロンドンならでは。そんな多民族社会のロンドンですから、私たち日本人も奇異な視線を浴びることなく、スンナリと溶け込むことができるのです。

もちろん差別が全くないとは言いませんが、それはほんの一部の理解ない人たちのすること。たとえそんな場面に遭遇しても、「世の中にはいろんな人がいるから」と流していれば、多少のことでは動じない精神的強さもついてきますよ。

次のページではロンドンならではの暮らし方についてお伝えします。