文章:吉田 摩弥(All About「ロンドンで暮らす」旧ガイド)
生粋ロンドナーの多いキャブドライバーとの会話、実は結構難しいのです |
日本でも、ラジオでBBCを聞いたり、イギリスの公的な文化交流機関ブリティッシュ・カウンシルが開講している英語コースを受けたりして、イギリス英語の発音に触れることはできますので、機会があれば試してみるのも良いでしょう。でも、ロンドンの街の人たちはBBCキャスターや学校の先生のような、分かりやすいアクセントで話してはくれません。
しばらく生活していれば次第に耳は慣れてきますので、いずれは難なく聞き取れるようにはなるはずです。でも、これでは時間がかかってしまいます。この記事では、楽しく簡単にロンドンの英語に慣れるコツをご紹介しましょう。
聞き取りの練習に役立つテレビの字幕機能
左上のTeletextボタンで切り替え、4色のカラーボタンと数字を組み合わせて使います |
字幕つき放送を見るのは簡単です。イギリスで売られているアナログテレビは、大抵のものが「テレテキスト(teletext)」という文字放送機能が標準装備されています。リモコンでテレテキスト機能をONにして「888」と入力すると、英語字幕が出てきます。
デジタル放送を受信している場合には、受信機の機種によって多少異なります。アナログのテレテキストと同様に、リモコンでその都度字幕を呼び出すものと、受信機の設定で常に字幕をONにしておくものとがあるようです。
ロンドン英語のお手本!『イーストエンダーズ』を見てみよう
外国からの輸入番組を除き、どの番組でもイギリス英語の教材にはなりますが、ロンドンの英語に慣れるためにイチオシなのは、BBC1のドラマ『イーストエンダーズ(EastEnders)』(※1)です。ロンドンの東(イーストエンド)を舞台にしたソープオペラ(※2)で、ここで話されているのが、いわゆるロンドンの下町独特のアクセント、「コックニー」です。アクセントだけでなく、言葉遣いや単語など、普段ロンドンの街中で聞こえてくる英語に一番近いといえるでしょう。まだロンドンにいらしたことのない方は、番組ウェブサイトでショートクリップが見られるので、一度聴いてみてくださいね。字幕なしで『イーストエンダーズ』が理解できるようになれば、もう大丈夫! あなたの耳が、イギリスの英語に慣れたという証拠です。コックニーだけでなく、他の地方や外国語アクセントの英語にも十分対応できる耳になっているはずですよ。
ただし、ここで注意が必要なのは、このドラマに出てくる英語は、あまりエレガントとはいえないことです。ですから、もしも発音を真似るのならば、ニュースで使われるような標準語をお手本にするのが無難でしょう。『イーストエンダーズ』で耳を鍛えて、ニュース番組でスピーキングを、という使い分けが上達のコツです。
※1 『イーストエンダーズ』放送日時 月・金曜20時、火・木曜19時半と、日曜昼間のオムニバス再放送
※2 「ソープオペラ」とは、日常のできごとを綴った連続ドラマの通称。もともと専業主婦をメインターゲットに、石鹸会社が主な広告主となったことから、こう呼ばれるようになりました。
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