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香港庶民の生活をちょっとのぞいてみましょう! 期間限定の「石[石夾]尾人文館」

なかなか見ることのできない香港の公共住宅が、期間限定で公開されています。年代別にその時代を感じられる部屋が展示されていて、香港の公共住宅事情を知るにはオススメです。

執筆者:矢澤 有紀子

公共住宅が博物館になってしまう香港

石[石夾]尾邨なかなか見ることのできない香港の公共住宅が、期間限定で公開されています。年代別にその時代を感じられる部屋が展示されていて、香港の公共住宅事情を知るにはオススメです。 石[石夾]尾(セッキップメイ)は、尖沙咀からMTRで1度乗り換えて5駅目と、かなり便利な場所です。石[石夾]尾駅B1出口を出てすぐのところに、公共住宅アパート群「石[石夾]尾邨」があります。3月中の土曜日のみ、この中の1部が「石[石夾]尾人文館 Shek Kip Mei People's Museum」として公開されています。


石[石夾]尾人文館「石[石夾]尾邨」は取り壊しが決まっているのですが、香港の歴史的な建築物として数棟だけでも保存できないかと住民たちが運動しています。中區警署(セントラル警察署)と同じように、多数の方からの意見を集めるために公開されています。ただ、こちらは住民たちの手作り博物館といった感じです。


1953年の石[石夾]尾大火災の被災民を救うために政府が建てたのが、石[石夾]尾邨の始まり。戦後増え続ける中国大陸からの難民を収容していくため、多くの公共住宅が建てられましたが、その部屋は想像を絶する狭さなのです。でも、ここに住んでる人たちが香港経済の発展を支えてきたことを思うと、貴重な建築物となります。老朽化が進んでいるため、保存するとなるとまたお金の問題などが絡んできますが、全部取り壊しとなるのは避けたいのでしょう。


年代別に当時の住宅の様子がわかりやすく展示

50年代当時の様子がわかるように展示されているのは、4部屋。50、70、80、90年代の部屋が用意されています。どの部屋も、3,4人の見学者が入って写真を撮ったりするといっぱいいっぱいと、かなり狭いものです。 まずは50年代の部屋の様子。かなり簡単な作りの木の2段ベッドが、3つ入っていました。ここに、3世帯十数人が住んでいて、水・電気はなし。浴室・トイレは共同だったそうです。プライベートなスペースは皆無ですね。
70年代70年代になると、1部屋に2世帯が住み、部屋の真ん中に薄い板を仕切りにしていたようです。この時期、輸出量世界一だったという「香港フラワー」(造花)が部屋に飾られてますね。
80年代80年代の部屋には、テレビや冷蔵庫が登場。かなり生活しやすくなってるように見えます。香港の市民生活が豊かになっていった時代です。日本のキャラクターグッズを香港の工場でたくさん作っていたとのことで、キティちゃんが飾られています。
90年代90年代ともなると、家族間の関係も変わってきて、古いタイプの公共住宅はだんだんと1人暮らしの老人が増えてきます。展示されているのも、鳥かごなどがある、お年寄り向きっぽい部屋でした。
公開されているのは4部屋だけと少なく、すぐに見終わってしまいますが、歴史や年代が感じられる部屋作りがされていて、興味深かったです。映画の中で見たり、本で読んだりしたことがあっても、実物はなかなか見ることができませんから、この機会に見学というのもいいですよ! 小さな看板「石[石夾]尾人文館 Shek Kip Mei People's Museum」 住所     香港九龍石[石夾]尾街石[石夾]尾邨第17及18座地下         G/F,Block17&18,Shek Kip Mei Estate,Shek Kip Mei Street,Kowloon,Hong Kong 電話     2329-5222 公開日  3月19日(土)、26日(土) 1:00pm-6:00pm (無料) ※2005年8月までは団体の見学を受け付けてます。上記電話番号にて要予約。

*関連リンク*
  • 森羅香港「住居」
  • 香港歴史散歩の会
  • 香港写真百科事典「石[石夾]尾人文館」
  • All About 香港「旧セントラル警察署の見学」
  • All About 香港「興味深い香港史」
  • All About 香港「写真で見る香港」
    一部保存か、全て取り壊しか?石[石夾]尾の公共住宅
    雨にもかかわらず、見学者多数。洗濯物がぶらさがっているままなのが、香港らしい?
    【50年代】1部屋に3世帯十数人が住んでいた。
    【70年代】カラフルな雑貨類が登場。
    【80年代】冷蔵庫が場所をとってます。
    【90年代】チェック柄の大陸バッグ(プラスチックバッグ)が目立ちます!
    かなり小さな看板が目印
    ※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
    ※海外を訪れる際には最新情報の入手に努め、「外務省 海外安全ホームページ」を確認するなど、安全確保に十分注意を払ってください。

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