パートナーそして母親との適度な距離感
いい親子関係も適度な距離感から
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その実家のお母さんは、ご主人(つまりロンダさんの父親)を若い時に亡くされ、長男の息子さんも数年前に他界し、現在猫との1人+1匹暮らし。こんな場合、日本的な感覚からすると、80歳を過ぎた高齢の母親が一人でいるのならなおさら、一緒に暮らすほうがいいのではないかと思うのですが、どうやら、そういった日本的な型にはまった考え方ではない、別の考え方があるようなのです。
「パートナーの家とは歩いていけるほど近いので、急に一緒にごはんを食べない?なんてことも多いのよね。ひとつ屋根の下に暮らさなくても、お互いを必要と思う時にはすぐに会える。母とだって同じ。自分のことは自分でできるうちは、頼り過ぎず、甘え過ぎず、お互いを尊重しあえる適度な距離感が必要なんじゃないかな。考えようによっては、皆ひとつの空の下なんだしね(笑)。
結婚生活を続けて子供ができ、家族円満で一生を終えるというのが一般的な家族パターンなのかもしれないけれど、家族というものには、それぞれ人によって違った形があると思う。私の場合は、お互いのすれ違いもあって離婚してしまったけれど、結婚していた間も離婚もとてもいい経験だったと思っているの。母との関係も兄が死んでしまってから、さらに強くなったし、人生に起こることは、すべて何かしらのプラスになっていくものなのよ。」
すべてはポジティヴ・シンキングから
自然のヒーリング・パワーを味方に
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離婚もお兄さんの死も、すべて前向きに捉えてクヨクヨしない。今のパートナーとも適度な距離を置くことで、いつも新鮮にお互いを尊重しあえるのが、2人にとってプラスとなる。“一番重要なのは、ポジティヴ・シンキング=前向きな考え方”だと語るロンダさん。
そして、自然や動物も大好きというロンダさんは、週に2回お母さんと出掛けるウォーキングも楽しみにしているよう。ロンダさんが近場の自然豊かなウォーキング・コースを探して、親子で2人仲良く歩いてくるのだそうですが、帰ってきてから話を聞くといつも本当に楽しそう。
ウォーキングは、おばあちゃんが通っている病院で糖尿病治療の一環としても勧められ、半年くらい前から始めたのだそうですが、自然の中で季節の草花や虫、動物達と触れ合うことは、人間にとって最高のヒーリング(癒し)になるのだそうです。ちょっとストレスを溜め込みそうになった時は、自然の中でのメディテーションがいいわよと、笑顔でアドバイスしてくれました。
自然を大事にするオージーは、自然に逆らわずに生きることを心得ているよう。自分に降りかかることはすべて自然の流れであると捉えれば、一般的に言われる災難さえもまたひとつの貴重な体験。そんな風にすべてを前向きに考えられれば、たしかに気分的にも楽に生きられるのかもしれません。
オーストラリアでは、暮らす人も動物も皆、自分に正直に自然体で生きている感じがして、とても羨ましく思ったりもします。なかなかできないことかもしれませんが、是非とも見習いたいところですよね。
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▼人も動物も自然体なオーストラリアン・ライフ
…オーストラリアの友人から届く手紙のような雰囲気で気軽に読めるJALオーストラリア・キャンペーン・コラム「五感で感じるオーストラリア」のVol.4で、オージーの自然体な生き方について触れています。