オーストラリア/ウルル、カカドゥ他ノーザンテリトリー準州

世界遺産・エアーズロック=ウルル観光完璧ガイド -1 エアーズロックに登るということ(2ページ目)

『世界の中心で、愛をさけぶ』で、注目の世界遺産・エアーズロック=ウルル-カタジュタ国立公園。ウルル観光のハイライトともいえる“登頂”、そしてアボリジニの“聖地”について考えてみませんか?

執筆者:平野 美紀

太古の昔から受け継がれてきたアボリジニの知恵

アボリジニの聖地としてのウルル

太古の昔からこの地で暮らしてきたアボリジニの人々(=アナング族)にとっては、ウルルもカタジュタも聖なる場所。それでは、聖地とは一体何なのでしょうか?

聖地とはね、世界の創造の祖先たちによって清められ、精力を与えられた地球の強いエネルギースポットなの。-アボリジニの教え―大地と宇宙をつなぐ精霊の知恵 より-

たしかに、この本に書かれた言葉が示すように、『地球の強いエネルギースポット』なのかもしれません。でも、これではなんだかちょっとわかりにくい…。そこで、もっと身近な視点で捉えてみると、グっとわかりやすく、聖地として崇められてきた理由が見えてきます。

厳しい生活環境と種族の掟

このあたりは、これらの岩以外には360度何もない荒野であり、こうした自然の大きな岩場が風雨をしのげる唯一の場所でもあります。そこで、彼らはその周りで生活を始め、様々な儀式を行い、太古の昔から種族の営みを続けてきました。

ウルルには、自然の風雨によって開けられた洞穴がいくつもあり、彼らはその中で寝起きし、眠りに着く前には、夜になれば真っ暗なこの場所で、先祖から聞かされてきた言い伝え(伝説・物語)を今度は自らの子供達に話して聞かせていたりしたことでしょう。またいくつもある洞穴の中には、女性の出産場所としても使われていたものがあったりと、女性しか立ち入らない場所やその反対に男性のみが立ち入れる場所なども決められ、キチンとした掟の下に暮らしてきました。

そして、ウルルには、このあたりの乾燥した大地には珍しく年中枯れない池(泉)があります。その水場には、草木も生え、虫や動物たちも水を求めて自然と集まってきますから、食べ物もここで確保できたわけです。

そんな風に彼らにとって、“家” であったり、“水や食べ物を確保する場所”でもあったため、自然が与えてくれる『生きる糧を手に入れることができる場所』=聖地として崇められてきた――とも言えるのではないでしょうか 。アボリジニの人々が“自然の恵み”を大切にするのは、こんなところからきているのではないかと思います。

…でも、「実録!ガイドの身に起きた不思議な現象」でも書きましたが、実際に変なことが起きたりするのですから、本当に『精霊の宿る聖地』なのかもしれません…(苦笑)。

>>次は、知って得する♪ウルル観光の極意や世界遺産についての知識など。ウルルへ行くなら、見逃せませんよ!
ウルル=エアーズロック完璧ガイド・メニュー
ウルル=エアーズロックに登るということ
…「ウルルに登らないでください」という掲示板が問いかけること

アボリジニの聖地としてのウルル
…なぜ聖地なの?を考えてみる
なぜ、"エアーズロック"だったり"ウルル"だったりするの?
…それは勝手につけた人がいるから!?

世界遺産としてのウルル-カタジュタ国立公園
…世界でたった24カ所しかない複合遺産のひとつ
ウルル観光の極意[Q&A]
Q. 行き時はいつ頃?
Q. 写真を撮っちゃいけないってホント?
Q. 登らないとしたら、何をしたらいい?
Q. とにかく安くウルル観光をするには?
Q. ウルル周辺の気候や服装は?
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