ヒップホップダンスを大学で教える?
ガイド:コネチカットのダンススクールの生徒さんらは、周辺に住んでいるアメリカ人の若い高校生くらいの女の子たちだったようですが、男の子はダンスを習わないのでしょうか?
蛯名さん:
NYあたりのクラスに行くと男性も結構いるようですが、地方で習いに来るのは基本的に女性が多いですね。僕が教えているクラスでもそうですが、男性で習ってる人は、あまりいません。前に男の子がいましたが、やはり周りが女の子ばかりという環境もあってか長く続きませんでした。
ガイド:
大学で教えるというのは、どういう風なことを教えるんですか?
蛯名さん:
大体ヒップホップダンスに関して教えています。講師として大学から1セメスター(1学期)を任されたり。ワークショップ(体験型の講座)として、ダンス科やダンスのクラスがある色々な大学からも依頼があります。セメスターで教える場合と、ワークショップで教える場合と講義の進め方が違います。セメスターで教える時は、ヒップホップダンスのカルチャーや様々なスタイルの歴史や名前など、学術的なレクチャーと、実際のダンスレッスンをスタイル別で行います。学科やダンスのテストなどもあって採点もします。
ワークショップの場合は、依頼によって変わりますが、多いのはそれぞれのスタイルのダンスレッスンをしながら簡単に歴史なども含めて教えていきます。
ガイド:
ダンサーを目指してNYへ来る人たちにアドバイスなどありますか?
蛯名さん:
アメリカのストリート系のダンスシーンでは日本人がキテるって感じです。前と比べれば、日本人で知名度をあげている人が多くなってきています。日本人としての誇りをもって自信を持ってがんばりましょう!日本人ってダンスのレベルは高いですし、テクニックも、まったくアメリカ人にひけをとっていないんです。ただ仕事の内容にもよるけど、ダンサーを選ぶのには体格など見た目とかが関係してくる場合もあって……。たとえばミュージックビデオでも、黒人のアーティストだったら黒人がメインになったりします。が、日本人でもダンスのスキルで仕事を取ってる人はいます。
僕の場合は、ダンスで食べていけるのは普通にダンスを踊るのとはちょっと違うという部分があるからだと思っています。正直、最近は自分の事を「ヒップホップ」ダンサーとは思っていません。主にストリートダンスを基調にしたパフォーマーです。ダンサーが見てカッコいいって思われるようなものより、エンターテイメントとして一般のお客さんが見て楽しめる作品を作り続けたいですね。
クラスには3年も蛯名さんのクラスを続けている女の子もいる。蛯名さんは、先生としてとても慕われているようだ。 |
蛯名さんは、このインタビュー後、target="_blank">黒人を中心としたサーカス団でパフォーマンスを行っているという。冬季に行われるNYでの公演も楽しみだ。どんどん活動の場を広げている蛯名さん、パフォーマンスだけにとどまらない彼の今後の活躍が期待される。
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