●特殊なキャリアを続けていたからこそ得た仕事

「学んでいるうちに気づいたんですが、日本語教師って教師になったとしても需要も少ないし、給料も安いんですよ。これじゃー将来、また日本に戻ってコンピューター関係の仕事につくのかなぁ~、なんて漠然と思ってて。

イギリスでは学生ビザでも週20時間、長期休暇期間は40時間までバイトできるんです。なので、食いつなぐためにバイトを探していた矢先、うまいこと某日系銀行で小規模だけどシステムの要件定義から開発までやってほしいというオファーがあり、そこで働くことにしました。

システムエンジニアにしたら激安、でも学生バイトにしたら超高給で3,4ヶ月仕事しました。後談なのですがニューヨークに来てから、その会社の人が連絡してくれたんですけど、なんと!日本の本社でそのシステムは賞をもらったそうなんです。本当に、すっごい嬉しかったですよ。

そうこうしているうち、アメリカで登録していたインテレッセというジョブ・エージェンシーから連絡があったんです。住商コンピューターUSAで働かないか?というオファーでした。ラッキーとしかいいようがないんですけど。」


インテレッセへ登録してから1年後にオファーがきたという。きっとSAPなんていう特殊なシステムを使える人を登録されてる人の中からコンピューターで検索しててヤビーが引っかかったにちがいない。しっかり者のヤビーは旅費までエージェンシーに出してもらってニューヨークへ面接に出向いたのだった。

インテレッセの藤原社長には仕事探しではないけど、私も事あるごとにお世話になっている。それにしても、金になる人材には、投資までしてるのだね。そして当然のごとく採用となったヤビーであった。

「エージェンシーが旅費を出してくれたのには、きっと他にSAPができる人材がいないから、確実に住商コンピューターで採用されるって踏んでたんでしょうね。

SAPというのは、会社運営に必要な基幹業務をつかさどるドイツで生まれたパッケージシステム。セールスや在庫に会計、そして工場がある会社には生産管理などを行います。

大きなシステムなので、一人ではとても管理しきれませんから、それぞれが専門のコンサルタントに分かれているんです。私が担当していたのは、インストールから印刷やファイルシステムに関する部分で、アプリケーションに関係のないインフラ(infrastructure・・・システムの基盤)です。」


9ヶ月でロンドンを脱出し、大嫌いなアメリカへ舞い戻った理由は?

「ロンドンでも漠然と考えていたように、日本に帰ってコンピューターの仕事につくくらいなら、ニューヨークで一度働いてみよう!って。お給料も日本で働いていた頃と同じくらいもらえるし、条件は、まあまあ良かったんです。

でも、ニューヨークで暮らしてみてわかったことは。ここは物価も高いし、家賃も高いし、生活状況を考えると、もっと多めに言っておけばよかったかなって、後になって後悔しました。」


ヤビーはE-2ビザという、私の友人の間では、ちょっと聞きなれないビザを取得してやってきた。これは条約投資家(アメリカに相当額投資をしている企業で働く者)に与えられるビザだという。Eビザの審査は、非移民ビザの中で最も厳しく、永住権なみの権利を持つビザだとか。