■風水とスローライフの共通点
もう1つ、沖縄独特の風水思想をあらわしているものが御獄(ウタキ)です。ウタキは沖縄の神々が下ってくる聖地とされており、信仰のよりどころとして、今も訪れる人が絶えません。
その代表的なものが世界遺産に指定されている知念村の斎場御獄(せーふぁうたき)です。琉球最高の聖地として、ニライカナイ信仰の根幹をなす神聖な場所です。
聖地とは、風水思想でいうところの「大地のツボ」…。
都築教授によりますと、風水において理想とされるのは祖山に該当する山の存在(抱護の山)で、この山が集落や町並みを護る形で後ろに控えているのが良いのですが、沖縄の場合、そこには必ずウタキがあるそうです。ウタキの殆どは男子禁制でした。
儒教と密接に結びついているはずの中国の風水思想が、琉球では、この地の気候風土や民俗宗教との結びつきを深めていったのでしょう。
風水思想とは、縁起やまじないのたぐいではなく、突き詰めれば自然との調和であり、人間と自然との共存です。
そして、自然を化学の力でねじ伏せるのではなく、私たちは自然の中で生かされている存在であると自覚することがスローライフ。風水思想とスローライフには共通点があると思いませんか?
だからこそ今、多くの人が沖縄に魅せられているのかも知れません。
※今回は「旅行・レジャー」には直接関係のない内容となりましたが、この機会に沖縄の風水めぐりはいかがでしょう。こちらのサイトには沖縄の風水スポット11ヶ所が紹介されています。すでに行かれた場所であっても、違った視点で眺めてみるのも面白いのではないでしょうか。
【参考】
・沖縄の風水スポット11カ所
・All About Japan 小池 康壽さんの「風水・家相」
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