確率でみる航空機事故
今回のデータの中では最も事故率が低かったB777 |
今回も航空事故についてまとまったデータのある AirSafe.comの中から紹介したいと思います。
このサイトでは航空機種別の1970年以降の死亡事故率が数値で示されています。機種名(Model)の右に書かれている「Rate」=100万フライトあたりの事故率で、これが低ければ安全(無事故ならゼロ)、高ければ危険ということになります。
代表的な民間航空機で一番リスクが高いのは…
ここでAirSafe.comに表示されている航空機のうち代表的な機材に絞ったうえで、事故率の高い機材から順番に並べてみました。コンコルド 11.36
エアバスA310 1.29
ボーイング747 0.88
MD11 0.76
DC10 0.66
エアバスA300 0.65
DC9 0.55
ボーイング737-100/200 0.54
ボーイング767 0.51
ボーイング757 0.40
MD80/MD90 0.30
ボーイング737-300/400/500 0.22
エアバスA320/319/321 0.15
ボーイング777 0.00
データを読むうえで気をつけなくてはならない点
ただし、このデータを検証する際には気をつけなくてはならない点がいくつかあります。たとえばコンコルドは2000年の墜落事故が起こるまでは死亡事故がゼロ、すなわちこの中では一番下にあったわけです。それが墜落事故後、現在の数値になりました。トータルのフライト回数が少ないとどうしてもそういったブレが出ます。また、同じ機種でも古いか最新型のハイテク機かによって安全性に大きな差があります。上の数値でも同じボーイング737の初期型(737-100/200)とその後に開発された機種(737-300/400/500)で事故率に倍以上の開きがあることがわかります。ボーイング747も0.88ですが、最も新しいハイテクジャンボB747-400の事故率はこの数値をはるかに下回ります。
さらに航空会社ごとの事故率の差が大きいので、事故率が高い航空会社が使う機材はどうしても事故率が高めに出ます。ですが、それは機材そのもののせいではないケースが少なくありません。
以上に注意して、データを活用してください。それでは安全な空の旅を!
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