旅館/宿・旅館関連情報

「秘境の宿」3選

人里離れ独自の精神性宿る「秘境」。そんな秘境の宿を3軒ご紹介します。

井門 隆夫

執筆者:井門 隆夫

旅館ガイド

秘境へ。

仮面神ボゼ
お盆の最後の日に踊りの輪にやってくる「ボゼ」。死霊臭を追い払い、現世に引き戻す役割を担っている。(十島村HPより)

Esqure(エスクァイア日本版)7月号」の特集は、「秘境へ」。「日本人の精神と思想の原風景を探して」と副題に付けられた編集記事はなかなか面白い。博学多才な識者の推薦も取り入れ、全国46ヶ所の秘境をマッピングし、紹介しています。
例えば、トカラ列島(鹿児島県十島村)の「悪石島」。仮面神ボゼの出てくる旧暦の盆踊りのような、島に封印された古い民俗をそのまま伝承している離島です。このサイトには民宿5軒が載っていますが、どの宿も島の雰囲気満点。こういう宿に人情が残っているのですよね。09年7月22日にはこの島で皆既日食が最も良く見えるそうです。今年のお盆にはボゼ祭りツアー(50名限定)もあり、秘境好きにはたまりません。

タイマグラの人々(1998年撮影)
タイマグラの人々。電気が通じて十周年。1998年に撮影した住民の集合写真。(タイマグラHPより)
あるいは、早池峰山中(岩手県川井村)の村落、「タイマグラ」。アイヌ語で「森の奥へ続く道」という地名の小さな村落。岩手県でアイヌ語という不思議さ。昔、女人禁制の聖地だった早池峰山への入り口だったこと。戦後、開拓地として入植者が入ったものの、厳しい環境に最後の一軒まで減ってしまったこと。日本で最後(1988年12月)に電気が灯ったこと。そうした秘境性をもった土地は、平成の入植者たちの手により、今もなお生き続けています。民宿も2軒。小さな灯を点しています。暮らしの知恵をたくさん受け継いでいるようです。行ってみたいですね。
さて、素晴らしい日本の秘境。その他の地域についてはエスクァイアをお読みいただくとして、私からも、秘境の宿を3軒、ご紹介しましょう。
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