旅館/宿・旅館関連情報

「赤瓦の宿ふくぎ屋」に泊まる。(2ページ目)

ニッポンの田舎に泊まろう<第2弾>。ふくぎ林に守られながら赤瓦の家々が建つ「渡名喜島」(沖縄県)の貸し民家に泊まる。

井門 隆夫

執筆者:井門 隆夫

旅館ガイド

赤瓦の宿は、沖縄の民俗博物館。

あがり浜とふくぎに囲まれた村落
あがり浜とふくぎ林に囲まれた村落。

7月に住民総出の一大イベント「水上運動会」が行われる島で一番きれいなビーチ「あがり浜」から、村落の路地に入っていきます。路地の入口ごとに鉄製の頑丈な防風扉があり、台風の凄まじさを思い知らされます。
渡名喜島を襲う台風は、時として渡名喜島の家々の屋根を吹き飛ばしていきました。その都度、島民は「昔の姿に戻そう」と昔ながらの赤瓦の家に修複してきました。そのうち、空家となった6軒が、貸し民家「赤瓦の宿 ふくぎ屋」」として再生されたのです。

赤瓦の宿ふくぎ屋
赤瓦の宿の一軒。村に全部で6棟。間取りは昔のまま。
村の白砂の路地は、ふくぎ並木で緑のトンネルのよう。まるで迷路のような道を抜け、ふくぎ屋のフロント兼村の食堂「ふく木食堂」に到着。ここで家の鍵をもらいます(でも、戸無き島と言われるくらい治安のよい島。一度も鍵を使いませんでした)。赤瓦の宿は、村落に散在。食堂の真裏の家から、遠くても徒歩5分くらいの家まで。途中、ごく普通の家が商店や豆腐屋だったり、村の散歩はまるで「探検」です。
渡名喜のみなさんは、とっても明るい。優しい人たちです。道の両脇のブロックは、両側で高さが違います。これは、片側にはおじいやおばあ、もう片側には子どもたちが座って話せるようにとの配慮から。花がとてもきれいな村落です。

赤瓦の宿ふくぎ屋
家のなかはこんな感じ。リフォームされているものの、間取りは昔のまま。室内は禁煙です。
赤瓦の宿は、一軒ごとに間取りが違います。それは、前の家主の家をそのまま借りているから。リフォームされていますが、本当に島人になった気分です。中には、昔ながらの土でできた「竃(かまど)」が残っている家も・・・。猫が通っていく庭も、昔のまま。ハブの生息する藪もそのまま。夜の静けさも、星明かりも。渡名喜は時が止まったような島。
島ぞうり履いて、にわか島人(しまんちゅ)になりきることにしましょう。

赤瓦の宿ふくぎ屋
家の裏にはこんなものまで。
各家には、トイレとシャワーが付いています。でも、沖縄の古民家式に、外にあります(一棟だけ家の中にユニットバスあり)。ビーサン履いて、トイレに行こうとしたら、家の脇にコンクリや石垣で囲まれた「箱」のようなものが・・・。実はこれ、家畜(豚)小屋の跡。手前の穴は人間の排泄場所となり、それが飼料となるという仕組み。中国から伝来し戦前まで使われたと言われますが、それがここに残っていました。これを遺産と言わずして何と言いましょう。「沖縄まるごと博物館」のような島の時間は、そんじょそこらでは味わえません。
さて、夜になれば、お楽しみの食事!。三食とも、ふく木食堂でいただきます。そのメニューは、こんな感じ。
  • 前のページへ
  • 1
  • 2
  • 3
  • 次のページへ

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます