旅館/宿・旅館関連情報

「赤瓦の宿ふくぎ屋」に泊まる。

ニッポンの田舎に泊まろう<第2弾>。ふくぎ林に守られながら赤瓦の家々が建つ「渡名喜島」(沖縄県)の貸し民家に泊まる。

井門 隆夫

執筆者:井門 隆夫

旅館ガイド

沖縄で一番遠い島は、天然の博物館。

船から見る渡名喜島
那覇を離れて2時間。渡名喜島が間近に迫ってきた。船はじゅうたん敷きと椅子席(室内・室外)。じゅうたんスペースは島人で常にいっぱいだ。

「沖縄で一番遠い島」。
そう形容されることのある島へ行ってきました。那覇・泊港から140分。太平洋戦争中、戦火にまみれ集団自決という悲しい結末をたどった座間味島を南に眺めながら、一日一便の小さなフェリーは東シナ海を真西に向かいます。冬にはクジラが回遊する海。荒天時には欠航も余儀なくされる海。揺れながら船は、「観光客のいない島」へと向かいます。

渡名喜島村道1号線
白砂に福木並木の「村道1号線」。夜はフットライトがきれい。さて、私が乗っているものは・・・?
この島の名は、「渡名喜島」。運良く、戦火から逃れられたため、戦前の古民家がそのまま残っています。台風にさらされる地形にある集落は、防風・防砂のため福木の屋敷林に囲まれ、福木より屋根を低くさせるため、家は道より1m程度掘りこまれて建っています。「堀下げ集落」と呼ばれ、赤瓦の家、白砂の路地は、重要伝統的建造物群保存地区に指定されています。沖縄では竹富島とここだけ。さらに島は、石灰岩のカルスト地形も見られ、珍しい野草が咲きほこり、島の周囲は天然無垢のサンゴ礁で囲まれ、島ごと「県立自然公園」に指定される天然の博物館なのです。

入砂島
目の前には、「ちゅらさん」オープニング映像で使われた入砂島。日曜日だけチャーター漁船で渡ることができる。
島にはかわいいレンタカーがあります(最後のページでご紹介)。それに乗って島を一周すること30分。天然の博物館を満喫できることでしょう。
目の前にはリーフに囲まれたきれいな島。どこかで見たことあると思ったら、ドラマ「ちゅらさん」のオープニング映像で使われた無人島。なんて美しいのでしょう。
ところが、時々不定期に、この島を目がけ、轟音で米軍機が到来し、爆撃していきます。この島は、米軍の模擬弾による射爆場なのです。なんてことするんだ!と思うのですが、これが日本の、沖縄の、現実。米軍基地所在市町村ゆえに、国の様々な補償や補助があることで、島は守られているのです。
さて、今日、目指す宿は、ふくぎ林の中・・・。
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