【第二位】消える一万円台!?旅館の二極化進む。
一泊朝食が基本の四季倶楽部。夕食は宿で頼んでもよし。外食してもよし。 |
第一位の宿が概ね、一泊2~3万円以上であるのに対し、一万円未満の宿も増えています。
「一回当りの金額」より、「安くても何度も行けること」を重視するシニア層や、人数が多いファミリーなどに支持され、一泊二食7,800円で泊まれる、西日本の湯快リゾートや、東日本のスタディ(伊東園)グループの宿などが代表例です。
こうした宿は、不良債権化していた宿を安く入手したうえ、経営者交替。食事をオールバイキングにしたり、布団はあらかじめ敷いておくなどこれまでの仲居システムを廃し、原則として「セルフサービスの宿」にすることで大幅な値下げを可能にしました。
そのほか、夕食を自由化・選択可能として、一泊朝食5,250円で販売する、三菱地所系の四季リゾーツも、保養所や旅館を入手し、旧態依然としたシステムを変えることで「連泊・滞在」のお客様などに喜ばれています。全館禁煙の宿も生まれ始めています。
こうした「宿の性格の明確化」により、利用者は目的ごとにメリハリを効かせて宿を選択するようになり、その結果、「平均的な一万円台の宿」がますます消えていくという結論を導いているのです。
【第三位】旅館のグループ・系列化進む。
伊豆修善寺の名旅館「菊屋」も共立メンテナンスグループとして再生された。 |
上記の流れでもおわかりの通り、旅館のグループ・系列化が進んでいます。
例えば、不動産会社で、露天風呂付客室の宿を中心として、旅館ホテルの系列化・全国展開を進める共立メンテナンスなどがあります。もともとは、学生会館などの経営を主体としていましたが、学生数の頭打ちや地元志向より、団塊世代のリタイヤなどによるレジャーニーズの一層の拡大に着眼している点は、理解できる戦略です。女将塾で有名な、「銀花」も現在では、同グループなのですね。
そして、こうした異業種企業グループによる系列化ばかりではなく、今後は、地域性を強化した、特定旅館によるグループ化も進展していくことでしょう。
例えば、東北の王将グループや山麓荘グループ。東北地方の旅館を系列化し、主として地元団体や熟年女性、ツアーバスのお客様をターゲットとしています。
これは、まだ流れの入口。地方金融機関の不良債権のオフバランス化(旅館債権の売却)が進むにつれ、所有(不動産会社など)と運営が分離し、その運営を、別の有力旅館が担うというスタイルが、地域や旅館グレードを問わず、今後ますます進展していくことは間違いなさそうです。
以上が、2007年ベスト3。では、2007年はどんなトレンドが生まれるのでしょう。
続いて、2007年トレンド予測ベスト3をどうぞ!
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